全長2m超、最高時速300km！迫力満点『ラジコンジェット機』前編

2021年02月18日

車やプラモデル、カメラなど、趣味の世界を楽しむ大人たちに密着してその魅力を調査する『極上ライフおとなの秘密基地』。2016年～2018年までテレビ愛知で放送され、現在はLocipoでアーカイブを見ることができる。

今回の秘密基地の主は、ラジコン飛行機の中でも、ジェット機に魅了された岐阜県各務原市の男性。通常のプロペラ機より操縦するのが難しいという、ラジコンジェット機の魅力とは？

秘密基地にはたくさんの飛行機があり、しかも2mを超えるものがほとんどだ。これらのラジコン飛行機の持ち主は、金属加工業を営む大岩政和さん。飛行機が大きいのは、中に隠されたエンジンに秘密があるのだとか。

ラジコン歴40年を超える大岩さんがこだわっているのは、ジェット戦闘機だそう。とにかくジェットを飛ばしたいという思いがある。「子どものころから見てる飛行機が、ジェット機ばかりだった。『ゴジラ』に出てくる戦闘機は全部ジェット機。パイロットにはなれないので、模型で飛ばしちゃおうかと。プロペラとは違ったサウンドやスピード、飛んでるときの姿勢が好き」と、大岩さんは早速ジェット機愛を語る。

実はラジコンジェット機には、本物同様のジェットエンジンが積まれている。そのため機体も大きなものになるんだとか。

ある日の休日、ラジコンジェット機を車に積み込み、大岩さんが向かったのは三重県伊賀市の山の中。道が開け、突如現れたこの場所はラジコン飛行機を飛ばすためだけに作られた専用の飛行場なのだ。滑走路の幅は広いところで80m、そして長さはなんと300mという大きさ。一見アスファルトに見える路面は、ベルトコンベアなどに使われる網状のシートが張られている。水はけが良く、着陸時の衝撃を和らげるそうだ。

「ここでのイベントがあるため、その関係でちょこちょこと来る。飛行場が広いので、何するにも余裕があり安心して飛ばせる」と大岩さんは説明する。

飛行場を管理しているのは、1973年創設のラジコン飛行機愛好会『木津フライングクラブ』。これだけの規模を誇る専用飛行場は滅多にないため、遠方からたくさんの人が訪れる。

「ロケーションが一番魅力的。この時期だと夕日がちょうど見えるので、茜色になった時に、ラジコン飛行機を沈む夕日の方へ飛ばしていくのがもう最高」「これだけの施設を持っているというのは、日本で一番だと思う」と、訪れた人はすっかりこの飛行場の虜のようだ。

ラジコン飛行機の聖地で目にするのは、片手で持てる軽い機体や大きくても両手で持てるものばかり。しかもすべてがプロペラ機だ。

そんな中、大岩さんのラジコンジェット機『F-22』（全長2.2m・重さ14kg）は一際大きい。最大の特徴は模型用のジェットエンジンが積んであるので、その推力で飛行させることなのだとか。

模型用のジェットエンジンの構造は本物と同じ。エンジンだけで重さが2kgほどあるため、飛行機のサイズが大きいのだ。「このエンジンそのものが推進力があり、二股になっているダクトで後ろに排気を出すため、時速300km近いスピードが出ると思う。それに比べてプロペラだけのスケール機（実際の模型）の場合は、早くても時速200kmぐらいまでかな」と大岩さんは、ジェット機の迫力を説明する。

ジェットエンジンのサウンドは、本物の飛行機さながら。これも大岩さんが大好きなポイントだそう。そして滑走路へ移動し、いよいよテイクオフ。大岩さんのジェット機はみんなの注目の的。最高時速300kmにものぼるため、操縦にも鋭い反射神経が要求される中、巧みに機体をコントロールしていく大岩さん。飛んでるときの姿勢が好きで、旋回している時の三角形の翼が見えるところがかっこよくて、しびれるのだとか。

着陸態勢に入る場面が一番の腕の見せ所。うまくいったように見えたが、「向こうへ流された。降り方もだめ」と大岩さん。確かに機体が少し傾き、水平に着陸することができなかった。「大岩さんの中ではダメだけど、他の者は上手やなと思っている」と見物人は言う。

プロペラ機よりも愛好家が少ないのは、操縦が難しいからだそう。「憧れであって僕らが手を出せるような代物じゃない。胴体に対しての主翼の面積が小さいので、失速しやすい。簡単に飛ばしてるけれど、実際はすごく難しい」と、ラジコン飛行機愛好家たちは言う。

プロペラ機と違い、ジェット機は後ろにしか推進力がないためバランスが取りづらく、高い操縦技術が求められる。大岩さんは、ラジコンジェット機のスピードが速く不安定で難しいというスリルに虜のようだ。
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