ジェットエンジン音が大空に響く。『ラジコンジェット機』の大会に密着!後編
車やプラモデル、カメラなど、趣味の世界を楽しむ大人たちに密着してその魅力を調査する『極上ライフ おとなの秘密基地』。2016年~2018年までテレビ愛知で放送され、現在はLocipoでアーカイブを見ることができる。
今回の秘密基地の主は、ラジコン飛行機の中でもジェット機に魅了された大岩政和さん。プロペラ機に比べメンテナンスが大変だったり扱いが難しい中、ラジコン飛行機の大会に挑む姿を追う。
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ある日訪れたのは、35年以上の付き合いというホビーショップ。サーボ(翼やタイヤなどを動かす小型モーター)を探す大岩さんに店員さんが新商品を勧めるが、大岩さんは辛口コメントをする。そんな大岩さんを「うるさいお客さん。でも教えてもらうことが結構あるので、ものすごくいいお客さんです。ジェットをやっている方が少ないんで、希少な方」と話す店員さん。
さらに、最近の機体組み立てキットのエリアへ足を運ぶ。ラジコン飛行機は、機体とエンジンが別々に売られているのが一般的。そして機体はほとんどが組み立てられているため、エンジンを購入すればすぐに遊ぶことが出来る。初心者用の機体は1万円台からと始めやすい価格帯のようだ。
「僕ら始めた頃はバルサキットだったんでね。小さな箱に素材しか入ってないんで」バルサ材のラジコン飛行機が大岩さんが初めて手にした相棒だった。二十歳の頃、設計図を見ながら一生懸命作ったのだとか。
「ただ飛ぶだけで楽しかったような記憶はありますけどね」と懐かしむ大岩さん。
以来、大空を駆けるラジコン飛行機の魅力にどんどんのめり込んでいき、子どものころから憧れを抱いていたジェット機にも夢中になる。操縦の腕を磨き、数々のラジコン大会で賞を取るなど、その名は全国に知れ渡っている。
ジェット機は、プロペラ機に比べメンテナンスが大変なんだそう。「圧倒的に大変なのは、補機類の多さ。ジェット機の場合だと様々な機材がたくさん必要。電気的なもの以外にも排気ダクトだとか始動用にガスを使うんでバルブであるとか、エアのタンクであるとか、普通のプロペラ機の2倍から3倍ぐらいになる」と大岩さんはジェット機の扱いの大変さを話す。
値段もバカにならない。この機体は20万円、ジェットエンジンは40万円で総費用は70万円から80万円ぐらいになるのだそう。そんなジェット機を大岩さんは現在6機も保有。車1台余裕で買えてしまうのだ。
「ゴルフ、バイク、車だとかジェット機以外の趣味やめちゃったので。やめちゃったというか、お金かけたくなくなったというか、最終的に残って一番長く続いてますね」と、大岩さんのジェット機への思いが伝わる。
ラジコン飛行機の愛好家達にとって特別な1日がやってきた。日本選手権関西地区大会は、全国3カ所の会場で同じルールで審査を行い、得点が一番高い人が日本一に輝く。
実際の飛行機をラジコン化した「スケール機」のみが参加できる大会。大岩さんが持ち込んだのは、ジェットエンジンを搭載したステルス戦闘機 『F22』だ。
大会の審査はいかに本物らしく飛ばせるかがポイントで、日本模型航空連盟の協議員が採点を務める。協議員によると、点が高いのは飛行速度・マニューバをうまくやること・演技の形がちゃんとできていること・飛行機に合わせた飛行速度、つまり審査員の主観による部分もあるのだとか。
関西地区大会の参加者は12人で、大岩さん以外みんなプロペラ機で挑む。プロペラがある分、ジェット機に比べ飛行姿勢も着陸も安定する。
不利な状況の中いよいよ大岩さんの出番が来た。「きれいで上手なので、わずかなミスを探すしかない」と大会参加者は、大岩さんの演技を評価する。
最大の難関である着陸は上手くいったように見えるが、「ちょっとあまり。一発目なんで、まだもう1ラウンドあるので50−60点じゃないかな」と大岩さんにとっては、イマイチのよう。
「最近、腰は痛いし視力が低下してくるんで、どこらへんでやめようかなみたいなね。楽しみながらあと10年ぐらいはやりたい」と大岩さん。
結果は、大岩さんがぶっちぎりの得点で見事優勝した。ジェットエンジン音は大空に響き渡る。
『極上ライフ おとなの秘密基地』
【放送局】テレビ愛知 2016〜2018年放送(現在はLocipoでアーカイブを視聴可能)
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/himitsukichi/
【You Tube】https://www.youtube.com/watch?v=AFFuxbXFADs