見て・乗って・語りたい。 東海の鉄道沼
眺めて楽しい、乗ってワクワク、語れば止まらないー。奥深き鉄道の世界に、東海エリアでどっぷり浸かってみませんか?今回は、『リニア・鉄道館』からドクターイエロー展示の舞台裏、黄色い車両“マルタイ”の仕事風景まで、鉄道の魅力をギュッと詰め込んでお届け。Locipo公式Xの鉄道アカウント(@lociporailway)もチェックしてみては。
見て、体験して、学びを深める
『リニア・鉄道館』で鉄道の世界へ!
長い年月をかけて社会をつなぎ、人々の暮らしと旅を支えてきた鉄道。日本の産業・経済の基盤を築いた蒸気機関車、人の流れを活性化させた電車、日本の技術力を世界に知らしめた新幹線。いつの時代も鉄道は、新たな時代の“立役者”として、存在し続けてきました。
知的好奇心が湧く、学びの秋。今年は、そんな鉄道の歴史と技術を、改めて“知る”時間を過ごしてみては。
今回訪れたのは、名古屋市港区にある『リニア・鉄道館』。39両にもおよぶ実物車両の展示、運転シミュレータ、鉄道ジオラマなど、あらゆる角度から鉄道を知ることができます。
想像以上に奥深く、知れば知るほど面白い。そんな鉄道の世界に浸る方法を探してきました。
歴代のスピードランナーが集結!
実物車両で高速鉄道の歴史を知る
あおなみ線・金城ふ頭駅から、徒歩約2分の場所にある、『リニア・鉄道館』。
東海道新幹線や在来線、超電導リニアなど車両展示をメインに、模型やパネル、実物を使った体験展示などを通して、鉄道のしくみや歴史を学ぶことができます。
館内を案内してくれたのは、『リニア・鉄道館』の加藤鉄也さん。約8年間、現場での業務(車掌・駅係員・運転士)を経験したのち、列車の運行管理などを担う指令員や、在来線の駅係員の接客サービス向上を担う部署の担当として勤務。幅広い鉄道業務を経て、同館の担当となった“鉄道のスペシャリスト”です。
エントランスを入り、まず最初に目に飛び込んできたのは、“高速鉄道のシンボル”といえる3つの車両。
1954年に129㎞/hという狭軌の蒸気機関車として世界最高速度を記録した「C62形式 蒸気機関車」、1996年に443㎞/hという電車方式による当時の世界最高速度を記録した「955形 新幹線試験電車(300X)」、2003年に581㎞/hという鉄道における当時の世界最高速度を記録した「超電導リニア MLX01-1」の“実物車両”が展示されています。
超電導リニアは、実際に中に入ることも可能。また、この車両は、「愛知万博」で展示されていました。
時代を駆け抜けてきた“ホンモノ”が、一同に揃う景色は壮観!東海道新幹線の主力として活躍した0系や100系をはじめ、モハ52形式電車やクハ381形式電車など、往年の車両たちが並びます。
細かく“見る”ことで、それぞれの時代背景や文化を体感できる車両のなか。
鉄道省が製作した木製電車で、現存する唯一の車両「モハ1形式電車」では、金属加工技術に頼らない“ものづくり”の力、そして、木製特有の温かさに、古き良き時代の暮らしぶりを感じとることができました。
1913年当時の状態を再現した「ホジ6005形式蒸気動車」内では、持ち手部分まで革で作られた“つり革”を発見。
躍動感溢れるビジュアル、様々な機械が集結した機関室を見ることができる「C57形式蒸気機関車」。その堂々とした佇まいからは、日本の近代化を担ってきた“圧倒的な力強さ”が滲み出ていました。
“見ると幸せになれる”と言われている、
レア車両に乗り放題!
ドクターイエローT4編成も展示
時代を象徴する車両が揃うなか、異彩を放っていたのが、今年6月から一般公開がスタートした「ドクターイエローT4編成」。東海道・山陽新幹線の電気設備や軌道設備の状態を検測し、点検車両として、安全・安定輸送に貢献してきました。
運行日時は非公開のため、鉄道界ではレアな存在。運行頻度も高くなく、見かける機会も非常に稀であることから、「見ると幸せになれる」と言われ、“幸福の象徴”として親しまれてきました。
点検車両のため、点検関係者以外は中に入ることができない同車両ですが、なんと、ここでは先頭車両の座席に座ることが可能!車両内では、知られざる鉄道整備の様子を映像で見ることができます。
重ね捺しスタンプにも、来館記念にチャレンジしてみては。