動機解明は 26年前の名古屋・西区 主婦殺害 容疑者逮捕後初めての命日

あの日から26回目の11月13日。
26年前の11月13日、最愛の妻・奈美子さんの命を奪われた高羽悟さん。
妻の命日は、日課である地域の交通安全活動から始まりました。
1999年11月13日、名古屋市西区のアパートで殺害された奈美子さん。
悟さんは、これまで、命日に合わせて街頭に立ち、情報提供を呼びかけてきました。
26年目の今年も、その準備を進めていた矢先、先月31日に逮捕された安福久美子容疑者。
13日は、容疑者が逮捕されてから初めての妻の命日です。
高羽悟さん:
「(去年までは)これを最後のビラ配りで、来年は集まらないようにしましょうと約束して、いつもビラ配りやってたんですけども、ついに念願かなって、やらなくていい日が来たということで喜んでるんですけど」
これまでよりも前向きな気持ちで命日を迎えました。
逮捕を待ち続けた26年間。
悟さんは、「泣いている姿を見せると犯人が喜んでしまう」との思いから、息子と2人でカメラの前に立ってきました。
高羽悟さん(6日):
「今となっては26年前の自分に頑張れば…絶対事件は解決するし、息子も立派に育つから…一生懸命やれっていうふうに26年前の自分に声をかけたい。本当に良かったです、本当に幸せです、みなさんのおかげで…本当に幸せです」
待ちわびた容疑者の逮捕。しかし…
高羽悟さん(12日):
「今の状態では奈美子に報告もできないし、謝れないし、どうしたもんかなということですよね」
安福容疑者は、悟さんと高校の同級生で、同じ部活に所属。
先月30日に、警察署へ出頭し、その後の調べで容疑を認めていたといいます。
逮捕から3日後に行われた奈美子さんの27回忌法要。まだ、逮捕の報告をすることができていませんでした。
高羽悟さん(2日):
「まだ動機とかはっきりしていませんので、27回忌とはいえ報告できていないので、早く報告できる日がきたらいいな」
動機の解明を待つ悟さんの思いとは裏腹に、安福容疑者は、その後、取り調べを拒否し、黙秘しているといいます。
命日を迎えた13日も奈美子さんに逮捕の報告はできないまま。
高羽悟さん:
「その辺が残念なことに、全然犯人の供述も得られてないので、具体的な報告はできていないので、早くそんな日が来ることを待つしかないかなと思っています」
26年間、逃走を続けた安福容疑者。周辺への取材で、近隣との交流が希薄だったことが見えてきました。
近所の人:
「家族は会ってないですね。お父さんだけが対応してくれたから」
小中学校の同級生:
「奥さんはもうずっと見たことがない。旦那さん1人でいつも買い物来てみえましたよ」
近所の人:
「『私はあまり外に出ないので』と言っていたから病気かななぜかなということは思いましたけど」
その一方、子どもを通じた交友関係では…
子ども同士が同級生の女性:
「息子たちの成人式で撮影した写真をアルバムにして渡してくれた」「優しくていい人だった」
26年前、なぜ奈美子さんに殺意が向けられたのか。
悟さんにとって、容疑者が逮捕された今も、事件は“未解決”のままです。





