通園バスに2歳児1時間放置 置き去り防止機能を解除 岐阜・大垣市の認定こども園

今年9月、岐阜県大垣市の通園バスに2歳の女の子が1時間置き去りにされていたことがわかりました。バスには置き去り防止装置がついていましたが、運転手が機能を解除していたということです。

園児の置き去りがあったのは、岐阜県大垣市の認定こども園「かみいしづこどもの森」。
園によると、9月2日の朝、通園バスが園に到着し、園児を降ろしていたときのこと。座席で2歳の女の子が寝ていたため、職員は後で起こそうとそのままにしていました。
しかし、バスを運転していた園長は全員降りたと勘違いし、屋外の駐車場に止めてしまいます。その後、担任の職員が女の子がいないことに気づき、車を確認。

女の子が置き去りにされること約1時間。この時の大垣市の気温は30℃を超えていました。
発見時、女の子は目覚めていて、汗ばんでいましたが、体調に異常はなかったということです。
脇淵竜舟 園長:
「重大な結果に結びつく危険性も大いにあったのは、自分としては反省が大きい。本当にこのたびはご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」

3年前、静岡県牧之原市の認定こども園で通園バスの中に置き去りにされた子どもが亡くなって以降、バスに安全装置をつけることが義務化されました。
今回のバスにも、エンジンを切るとアラームが鳴り、座席最後部のスイッチで解除する仕組みのものがついていました。しかし、園長は後部座席を確認せずメンテナンスなどの時に使うリモコンでアラームを解除したといいます。

通園バスにつけられている、安全装置とはどういうものなのか、名古屋市昭和区の幼稚園に協力してもらい、見せてもらいました。
運転手がエンジンを切ると、大きな音でアラームが鳴ります。運転手は、園児が残されていないか確認しながら、車の1番後ろの座席までアラームを解除しにいきます。おととしの3月から装備していて、安全装置が作動しないようにすることはほとんどないといいます。
滝子幼稚園 高御堂勝久 園長:
「子どもたちが平日バスを使っている状況で、システムを切ることはありえません」
運転手 徳田藤雄さん:
「年少さんだと気持ちよくて寝ちゃう子もいる。そういう子は注意が利かなくなるので、注意しないとだめだと思っています」
今回問題のあった園は、マニュアルの改訂などを行い、再発防止に努めるとしています。