
“正しい水の飲み方”には8つのポイント 医師が解説「時間を決めて薬のように飲む」就寝前は5分以上

一歩間違えると、熱中症のリスクが高まってしまうといいます。「正しい水の飲み方」について、済生会横浜市東部病院、谷口英喜患者支援センター長に解説してもらいました。

熱中症対策で水分補給をしたほうがいいのは分かりますが、ただ飲めばいいわけではないそうです。
「たくさん水を飲むことは必要ですが、飲み方にポイントがあります。時間を決めて薬のように飲むことが大切です」(谷口英喜 医師)
「若い頃は喉の渇きを感じるので、喉が渇いた時に水を飲めばいいですが、年齢とともに特に50歳以降は喉の渇きを感じにくくなってしまいますので、時間を決めてコップ1杯分の水、150~200ml程度を、8つのポイントでとってもらえるといいと思います」(谷口医師)
Q.特に意識した方がいいタイミングは?
「寝る前と朝起きた時というのは、特に意識してとってもった方がいいです。寝ている間は水分補給できないですし、寝ている間でも水分が失われています。一晩に300~500mlぐらいの水が失われてしまうので、脱水にならないように、熱中症にならないようにということで必要になってきます」(谷口医師)
就寝前の水分補給のポイント

Q.就寝前にコップ1杯分の水を飲むとトイレに行きたくなったり、トイレが近くなったりするので、水を控えたいと思う人もいると思うが、それでも飲んだ方がいい?
「就寝前の水分補給はすごく大切。夜の熱中症を守ってくれます。ポイントは病院で点滴を受けると、尿意は近くならない。その方法を応用して5分以上かけてコップ1杯の水を飲むイメージ。テレビや本をみながら5分以上かけて水分補給。種類も白湯やノンカフェインの飲み物がおすすめです。こうすることによって、脳にバレずに水分補給できます」(谷口医師)
Q.脳にバレない?
「私たちの脳は常に体の水分を監視しています。でも増えると人間の体のホルモンを調節しておしっこが出やすい方向にもっていってしまう。脳に気づかれないように、少しずつ飲むことがポイント」(谷口医師)
水分補給にオススメの食べ物

Q.水分補給にオススメの食べ物は?
「水分補給は食べ物から結構できます。夜寝る前ならば少しの食べ物で、フルーツやヨーグルトを使ってもらうといい。実は夕飯で食べるカレーライスやゴーヤチャンプル、これらはすごく水分補給になります。例えばカレーライスはカレー自体に水分がたくさん入っていますし、野菜や肉に水分を含んでいる」(谷口医師)
「私のオススメはゴーヤチャンプル。ゴーヤはウリで水分やカリウムをたくさん含んでいます。水分補給だけではなく、夏の疲れをとるビタミンB、C、たんぱく質などが入っています」(谷口医師)
Q.運動に最適な飲み物は?
「スポーツドリンクを選びがちですが、朝ご飯、昼ご飯をしっかり食べて運動をしていれば、そんなに塩分が多いものは必要ありません。足がつったり、フラフラとしたときだけ、スポーツドリンクを飲んで、その他のときは麦茶や水で十分です」(谷口医師)
塩分はどれぐらいの頻度で、何でとればいい?

Q.塩分はどれぐらいの頻度で、何でとればいい?
「日本人は普通に食事をとっていれば、塩分を多すぎるぐらいとっています。下着をかえたくなるぐらい汗をかいた場合に塩分を少し心掛けてもらえれば大丈夫です」(谷口医師)
Q.塩分タブレットなどは意識してとらなくてもいい?
「塩分タブレットはとりすぎになってしまう。よっぽど汗をかいたときだけでいいと思います」(谷口医師)