「ドアの開け閉めが楽しかったです」名古屋市のふるさと納税の返礼品は地下鉄の工場見学会

11月20日、地下鉄の工場で行われた見学会。名古屋市のふるさと納税の返礼品で、参加者たちは普段見られない場所を楽しみました。
名古屋市がふるさと納税の返礼品としたのは、市営地下鉄の藤が丘工場の見学です。5万円のふるさと納税で参加できる体験型の返礼品です。
6人の参加者はまず、台車と車体を組み合わせる工程を見学しました。車体の下にもぐりこんで車体を下から見た後、運転士の制服に着替えてドアの開け閉めなどを行いました。さらに普段は体験できない、車両基地での車体洗浄も体験しました。
参加者:
「楽しかったです。ドアを開け閉めするところが楽しかったです」
「お値段に大変見合った貴重な体験だったと思ってます」
「一般の見学だと何百人と大勢の中でしか見られない中で、少人数で価格に見合った体験ができていると思います」
企画した名古屋市交通局は。
名古屋市交通局経営企画課 石堂真輝主事:
「名古屋市交通局の魅力を広く発信して、応援してもらえる人を増やすことを目的にしています。また快適性や安全性を高めるための財源とすることを目的にしています」
今回の名古屋市の取り組みだけでなく、全国の各自治体が少しでも多くの寄付を集めようと、年々、返礼品の充実に力を入れています。その結果、ふるさと納税の寄付額は右肩上がりで増加していて、2023年度に全国で合わせた金額が初めて1兆円を突破。2024年度は約1兆2728億円と過去最高を更新しました。中でも特に寄付の受け入れ額が多かった自治体は、1位が兵庫県宝塚市、2位が北海道白糠町、3位が大阪府泉佐野市で、名古屋市は約138億円と7位でした。
一方、ふるさと納税をする住民が増えるほど、本来住んでいる自治体に入るべき住民税が入らないということになります。ふるさと納税でどれだけ税収が流出しているかを示す、2024年度の課税における住民税控除額は、1位の神奈川県横浜市に次いで、名古屋市は約177億円と2位でした。寄付額は約138億円なので、40億円ほどの「赤字」となります。さらに市によりますと、寄付額の半分は返礼品の調達や仲介サイトへの手数料などで消えるため、実質的には100億円以上が流出しているということです。
ふるさと納税に詳しい慶応義塾大学の保田隆明教授は、「ふるさと納税は人口が多い自治体ほど流出する額が多いため、都市部が不利になる傾向がある。ただ、都市部の方がコンテンツはたくさんあるため、今回の名古屋市のような体験型の返礼品で強みを出していくべき」と話しています。
また利用する側は、「納税した自治体が、そのお金をどう使っているのか、アンテナを張って注目することが大事だ」と話していました。





