地下駐車場から“恐怖の脱出” 1時間に120ミリ超え、記録的豪雨であっという間に冠水 三重・四日市市

三重県四日市市で撮影された映像です。猛烈な雨で地下駐車場に流れこんだ大量の雨水。緊迫の脱出の瞬間です。

9月12日午後11時ごろ。三重県四日市市内の地下駐車場。全体が浸水しているなか出発する車。水しぶきをあげながら、出口を目指します。
まるで、川を進む船のような、ドライブレコーダーの映像。
坂を登り地上に出ると、真っ暗闇の中、道路も冠水。この状況に運転していた人は、恐怖を感じたといいます。

12日の夜から猛烈な雨に見舞われた四日市市内。雨量は観測史上最大となる1時間に120ミリを超え、「記録的短時間大雨情報」が出されました。
近鉄四日市駅周辺の道路。車は水しぶきを上げて走り、半分以上が水に浸かり道路上で動けなくなった車も。
歩いて目的地を目指す人は傘を差しても足元は水浸し。中には膝上まで浸かりながらなんとか歩く人もいました。

駅前の商店街に設置された防犯カメラの映像。午後10時15分ごろは、道路は冠水していましたが歩道は問題なく歩ける状態。
その約5分後、道路からあふれた水が、歩道に波のように押し寄せてきました。ただ、このときも、通行人が足を止めて眺めることができる程度には余裕がありました。

ここからさらに5分ほど。急激に歩道の水位が増します。道路側から押し寄せる波はあっという間に歩道全体を飲み込んでしまいました。

こちらの飲食店では、雨脚がおちついたところで店内に入り込んだ水やゴミを片付けていました。
「どやさこやさ」スタッフ 杉中康人さん:
「道路が冠水したと思って20分もしない間に 店の中に水が入ってきた」
この男性も、浸水した地下駐車場に車を止めていました。
杉中さん:
「滝のように冠水した水が 流れ落ちるような状態だった。高級車も沈んで警報器も鳴っていた。停電も起こってい」

駐車場を管理する会社によると、夜間の急な雨だったため、人出がおらず、浸水をせき止める板を設置できなかったといいます。
また、停電の影響で排水ポンプが作動しなかったことも重なり、浸水してしまったとしています。

中部地方整備局は、駅周辺と駐車場をつなげる工事をしている関係で、水の入り口が通常より多くなっている事も関係しているのではと話しています。

大雨から3日たった15日、地下駐車場の入り口には、長いホースが設置され、大量の水が排水されていました。
作業をする人の足元は水浸し駐車場には200台以上が取り残されているとみられていますが今も立ち入り禁止が続いている状態です。