海藻を食い荒らす“海の厄介者”の魚アイゴを名物グルメに 「おいしい…間違いなく」地元の飲食店やホテルがメニュー開発 愛知・田原市

愛知県田原市の渥美魚市場。カツオやタイ、ヒラメなど、新鮮な魚が次々と競り落とされていきます。
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Q. 狙いは?
(仲買人)
「きょうはタイです!」
ただ、「海の異変」はこの港でも…
(仲買人)
「(水揚げされる魚が)年々少なくなっている、ここ4~5年」
Q. 海の環境が変わっている?
(仲買人)
「そうだね、とり過ぎもある」
「季節的に水揚げされるものが全然揚がっていない。魚の種類が変わっている」
仲買人から「厄介者」「売れんもん」の声 その魚とは?
近年問題になっている魚のひとつが…。
(渥美魚市場 清田幸広代表)
「これはアイゴ。未利用魚であまり認知度もないし、出荷しても単価があまりつかない」
セリに来ていた仲買人たちに聞いてみても…
(仲買人)
「アイゴ!?アイゴなんて使う店ある?」
「ないね~。厄介者」
「あんなんいらんよ。売れんもん。くさいし、それ売るくらいなら他に売れる魚がある」
厄介者のアイゴ 嫌われる理由は“臭み”だけでなく…
商品価値がほとんどないと言われてしまう、この「アイゴ」。嫌われてしまう理由は、内臓から出る強い臭いです。
(清田代表)
「内臓を入れたままで1日経つと内臓が匂う。その匂いが身に染み込む。かなり匂います。これは無理だねって匂い」
アイゴが海で増えすぎると、海藻を食い荒らして「磯焼け」が起こり、サザエやアワビ、伊勢エビなどが減る恐れもあると言われています。
(清田代表)
「磯を荒らすということで、『害魚』的な扱いを受けている」
「おいしい。間違いなく」厄介者から名物グルメへ
でも、アイゴは水揚げしてすぐに捌けば刺身でも食べられます。匂いさえ付かなければ、弾力があり淡泊な味が特長です。
そのため、地元では、「海の異変」を防ごうと、新たな動きが。
(田原市建設課 森下将光さん)
「伊良湖で獲れた新鮮な魚が捨てられるのはもったいない。そうした魚を活かして新しいグルメを作っていきたい」
水揚げされたその日のうちに、アイゴを捌いて、すり身に。それを真空パックし、マイナス60度で急速冷凍することで、鮮度を保ちます。
地元の飲食店やホテル10店舗以上とともに、アイゴのすり身を使った名物グルメの開発に取り組んでいます。
(清田代表)
「おいしい、間違いなく。食べてもらえれば分かる。色んな物に使ってもらって食べてもらえれば、魚の価値観は変わる」
来週には、開発したメニューの試食会が行われる予定です。アイゴが厄介者と呼ばれなくなる日も、近づいています。





