体験入校で目指せ志願者の増加 警察学校がイベント開催 記者が警察官の学び舎に潜入

警察官の志望者を増やそうと警察学校の授業などを体験できるイベントが11月10日、春日井市にある愛知県警察学校で開かれました。テレビ愛知の記者も警察官の学び舎に潜入し、授業を体験してきました。
警察学校、合格者の毎年3割が内定を辞退

食堂には参加者たちの姿が。今回は16歳から33歳の39人が集まりました。
――警察学校体験イベントに参加しようと考えたきっかけは?
大学3年生:
「警察1本なので岐阜と愛知と迷っていて、岐阜(の警察学校)を見たので愛知でもみてから決めようと。講義をする警官と生徒の温度差など雰囲気を見ていきたい」
警察官志望の大学3年生:
「(ほかの)警察学校の体験は行ったが宿泊型は珍しいし寮で寝ることを楽しみにしてきた」
事件の捜査に必要な「鑑識の技術」を学ぶ

そしてお待ちかねの授業がスタート。まずは事件の捜査に必要な「鑑識の技術」を学びます。講義を受けた後、記者も指紋の採取を体験。ビンについた指紋をアルミの粉で浮かび上がらせ、専用のシールに貼り付けます。
昌山記者:
「難しいです。空気が入る」
繊細な作業に悪戦苦闘。
昌山記者:
「普段から学んでいないと難しいと思います」
最初の授業が終了しました。

続いての授業は、犯人を安全に逮捕するための「逮捕術」です。参加者たちと基礎訓練に記者も挑戦です。
相手は在校生。記者のパンチではびくともしません。
昌山記者:
「硬いですね。ありがとうございました」
なぜ愛知県警はこのようなイベントを開いているのでしょうか。

愛知県警警務課 永井薫警視:
「(今月時点で)愛知県警の警察官の欠員は385人。優秀な人材の確保は警察組織の将来を左右する重要な課題」
愛知県警の2024年の受験者数は2014年から比べると半分ほどに減少。さらに、毎年約3割の合格者が内定を辞退しています。愛知県警は体験会を開催することで受験者のミスマッチを減らしたい考えです。
愛知県警警務課 永井薫警視:
「警察業務は県民の安全安心を確保するやりがいのある業務。やる気のある人はぜひ愛知県警(の採用試験)を受けてほしい」
愛知県警採用試験に「SPI」を導入
警察官採用試験の受験者数が減少傾向にあるなか、愛知県警は警察学校の体験入校以外にもさまざまな取り組みを行っています。例えば採用試験では、多くの民間企業で導入されている適性検査・SPIが2026年度から新たに導入されます。これまでは、独自の教養試験を受ける必要がありましたが、SPIとの選択制にすることで、民間企業と併願しやすくします。
また、近年脅威を増しているサイバー犯罪への対処に力を入れるため幅広い人材の確保を目指します。これまで採用試験で「情報技術」は、受験資格が大学卒業以上でしたが、2026年度からは高校卒業枠を新たに設けます。さらに2025年8月には、学生向けに初めてサイバー犯罪の捜査を体験するイベントを開くなど、若い世代に警察をより身近に感じてもらう取り組みを行っています。
愛知県警の採用担当者は、「若い世代が普段使っているSNSを活用して情報発信を行っている。警察の魅力や仕事のやりがいを多くの学生に知ってほしい」と話しています。





