カリカリ食感と風味たまらん「守口漬」外国人観光客に大人気 「城だけじゃない」愛知・犬山に外国人急増

国宝の天守を持つ全国5つの城の1つ「犬山城」。そのお膝元、犬山市に今、外国人観光客が急増しています。ナビタイムジャパンの調査によると、犬山市は訪日外国人滞在数増加率ランキングで全国トップ。増加率は400%を超えています。外国人の視点で見た「城だけではない」犬山の魅力を深掘りします。
外国人観光客が増加する犬山市

現存する国内最古の木造天守を擁する犬山城と古い街並みの雰囲気を残す城下町で知られる愛知県犬山市。この町で今、多く目にするのが外国人観光客です。
外国人観光客:
「犬山城を訪れるために来ました。ミシュランで2つ星だからね」
「日本の城の素晴らしい伝統や歴史に触れられて、また城からの眺めも最高でした」

犬山市は訪日外国人滞在数増加率ランキングで全国トップ。増加率は400%を超えています。
外国人向けの旅行ガイド、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に犬山城と犬山市が掲載されたのは2009年。なぜ、今になって急激に外国人観光客が増えたのか。スペイン出身のエリサベス・ヨピスさんに話を聞きました。
犬山の和の魅力を盛り込んだラグジュアリーホテル

ヨピスさんは名古屋・愛知の魅力を広めようと外国人向け体験ツアーを企画・運営しています。外国人観光客急増の理由の1つだと案内してくれたのは、2022年にオープンした「ホテルインディゴ犬山有楽苑」です。

ロビーやレストラン、客室からも犬山城を望めるほか、木曽川の鵜飼いで使うかごをイメージしたランプシェードといった犬山の和の魅力を盛り込んだラグジュアリーホテルです。
中でも外国人に好評なのが大浴場。まだまだ入れ墨やタトゥー禁止の入浴施設が多い日本ですが、インディゴはインバウンド需要を見込み、入浴制限をなくしました。情報は外国人の間でSNSの口コミで広がり、2023年のインバウンドの客が10%程度に対し、現在は約50%が外国人観光客といいます。
ホテルインディゴ犬山有楽苑 総支配人 浅沼 源太郎さん:
「当初予定したより多くの外国人客に利用いただいております」
みそ田楽や守口漬けなど、外国人の健康志向にマッチ

外国人を引き付けるものは城下町にもありました。「みそ田楽のお店が老舗で、発酵の味が不思議な感覚ではあります」とヨピスさん。こんがり焼かれた豆腐と、みそだれの香りが食欲をそそる豆腐田楽は、外国人の間で高まる健康志向にマッチしました。

さらに大好評なのが守口漬けです。
ヨピスさん:
「漬物を外国人に試食してもらう。ツアーに入れ込んでいるコンテンツです」
この地方名産の細長い大根「守口大根」を奈良漬けにした「守口漬け」。独特な風味とカリカリとした食感が人気なんだとか。
日本といえば“侍”のイメージ

特に今、外国人に人気だと案内してくれたのは犬山市武道館。中をのぞくと、居合いの稽古中でした。外国人には「日本といえば侍」というイメージが根強く、侍を体験できると人気なんです。この道場を運営する敬道英信会は2019年、外国人を呼び込もうと、ホームページに英語表記を加えました。
敬道英信会 渡邊 崎雄さん:
「ずいぶん喜んで帰っていってもらっていると思います。入門した人もいて、毎年来ています」

「現在配信中の歴史ドラマ『SHOGUN将軍』が大ヒットしていて、侍ブームになってきています」
――現代の日本に侍がいないのは知っていますよね?
「知っている人はいますが、知らない人もいます。ゼロではないです」
新旧の観光資源にアイデアを加えてインバウンドを取り込んだ犬山。今後の展開に注目です。