名古屋~豊橋間がタダで“信号無し” 無料バイパス「名豊道路」 開通から約3週間で渋滞どうなった?利用者の反応聞いてみた

今月8日に全線開通した国道23号「名豊道路」。名古屋と豊橋間の全長72.7キロを信号なしで結ぶ無料バイパスです。
【写真を見る】名古屋~豊橋間がタダで“信号無し” 無料バイパス「名豊道路」 開通から約3週間で渋滞どうなった?利用者の反応聞いてみた
1972年から整備事業が始まり、今月8日、ついに蒲郡インターチェンジから豊川為当インターチェンジ間の9.1キロが開通。50年余りの時を経て全線開通となりました。
これによって、下道で2時間近くかかっていた名古屋・豊橋間はおよそ1時間で到着できるようになり、物流の効率化などが期待されています。
開通直後の名豊道路。一度通ってみたいと多くの車が殺到し、長い渋滞ができました。
およそ3週間がたち、愛知県幸田町の道の駅でドライバーの皆さんに率直な感想を聞きました。
賛否両論⁉ 利用者のリアルな感想は…
(トラック)
「きょうは良かった。(混み方は)日によって違う、金曜日は混む。」
「今は良くなっていると思う。今日は時間があるのでいいが、ギリギリの時はちょっと厳しい」
「期待外れ。片側2車線ないと、詰まってどうしようもない」
(乗用車)
「下道で行った方が早いかなと悩むときもある。」
「(名豊道路を)使った方が高速料金がないからタダで来られる。」
一方、この日、名豊道路はあえて利用しなかったという人も。そのわけは?
(トラック)
「渋滞が慢性化している。(スピードが)1台落ちると全部につながるので、仕事で使うとなると(どうするか)判断する。渋滞していれば下道でずっと走っていっちゃう」
まだ「渋滞している」との声が多く挙がった名豊道路。
期待が大きいあらわれとも言えますが、開通前には物流業界から、こんな声が…
時間短縮やストレス軽減に…物流業界からあがる期待の声
(三河物流 小松幸宏 社長)
「信号なくずっと行けるということで、非常に期待している。効率が良くなって楽しみにしている」
愛知県安城市の三河物流。20台のトラックで、工場で使う原料や資材などさまざまな荷物を東海3県と静岡に運んでいます。
会社がある安城市から豊橋方面には名豊道路を使って向かいますが、開通前は蒲郡ICから豊川為当ICまでのおよそ9キロメートルは、一般道を走る必要がありました。
今回の全線開通によって「信号ゼロ」で豊橋までつながる効果は大きいと話していました。
(三河物流 小松幸宏 社長)
「1時間~1時間半くらいは朝早く出ても時間がかかるところ、下手すると1時間かからず、静岡県に入れるのではないか。燃料代も高騰している中、やっぱり経費も削減できるし、時間がとにかく短くなるのは良い」
全線開通によって時間や距離が短くなるだけでなく、信号待ちや渋滞も緩和されドライバーへのストレスも軽減できると期待していた背景には…
(三河物流 小松幸宏 社長)
「今人手不足で、運転手もなかなか集まらない。環境が良くなると早く帰れるし、長続きして働いてくれる一つの要因になる。いろいろなことを期待してしまう」
そこで、私たちは改めて…
いまの所要時間を再検証…結果はいかに!?
(森本琴衣記者)「現在の所要時間を計ってみたいと思います」
きのう計測したのは、今月新たに開通した蒲郡インターチェンジと豊川為当インターチェンジを挟んだ、幸田町の幸田桐山インターチェンジから、豊橋市の前芝インターチェンジまでです。
開通前は、途中で名豊道路をおり、信号のある道を経由して、所要時間は43分でした。
しかし、開通直後の今月10日も同じルートをたどってみましたが、渋滞でなかなか進めません。所要時間は1時間12分でした。
さて、今回はどんな結果になるのか!?
(森本琴衣記者)「早速渋滞していますね」
合流地点で早速渋滞。しかし…
(森本琴衣記者)
「新開通区間です。比較的流れもスムーズになっています」
開通直後に計測した時ほどは車は多くなく、渋滞したり、流れたりを繰り返し、目的地に到着…果たして今回の所要時間は!?
(森本琴衣記者)
「かかった時間は36分22秒。(開通直後と比べて)大幅に短くなりました」
道の駅の駅長は、名豊道路の全線開通による効果を実感していると話します。
新道路の効果を実感…ドライバーだけでなく、道の駅や歩行者も
(道の駅 筆柿の里・幸田 倉橋寿樹駅長)
「大型トラックのドライバーが休憩で利用することが多かったが、一般の人もたくさん利用するようになって(客は)2~3割確実に増えている。店としてはうれしい」
特に静岡方面からのお客さんが増えたといい、こんな変化も…
(道の駅 筆柿の里・幸田 倉橋寿樹駅長)
「愛知のお土産コーナーがよく動くようになった。新しいお客さまが寄って手土産に利用いただいているのかな。(混雑も)だいぶ落ち着いてきたので、ゆとりをもって出かけてもらえたら信号もなくストレスもなく走れる」
さらに、ドライバーからはこんな声も。
(下道利用のトラック)
「下の道がすいている。(今まで)渋滞していた所が、すんなり走ることができる。全然違う、トラックがいない」
名豊道路の全線開通前には、迂回路として多くのトラックが行き交っていた蒲郡市内の道路は…一目瞭然。トラックの数が激減。
また、豊川市の国道1号も、きのうはこの通り。
(歩行者)
「(どんな車が減った?)大型トラック」
「車の量が減ったと思う。通学面で安心」
開通から20日、皆さんが次に望むのは…
次の夢は「4車線」? “名豊道路”に高まる期待の声
(乗用車)「新しい道路だから、もう1車線欲しい。2車線ずつ」
(道の駅 筆柿の里・幸田 倉橋寿樹駅長)
「交通量がすごく増えているので、私たちも4車線化をお願いしながら、皆さんからも声を上げてもらえたら早く実現するのかなと思う」
今月8日の開通式典では、愛知県の大村秀章知事も…
(愛知県 大村秀章知事)
「4車線化についても国土交通省をはじめ、関係の皆さまと取り組みたい」
次なる夢は「4車線化」。早期実現の期待の声が一段と大きくなっています。
CBCテレビ「チャント!」2025年3月28日放送より