たった2日で年間総雨量の3分の1が名古屋に降った『東海豪雨』から25年「節目なんてない」決壊現場近くの今は

「東海豪雨」から25年。当時、名古屋市の約4割が浸水。原因は「線状降水帯」の発生でした。“都市水害”の怖さをあらためて振り返ります。
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(2000年9月11日 名古屋・天白区 伊藤嘉子さん撮影)
「洪水だ。すごいもんね車。こんな状態…もうすぐ夜中の12時ですよ」
大型で非常に強い台風の影響で、2000年9月11日午後から夜にかけ、東海地方は局地的な大雨に見舞われました。
(2000年9月 名古屋・西区 谷川卓巳さん撮影)
「自衛隊が来て(庄内)川は氾濫寸前です…すごい(自衛隊員は川に)手が届きそうです」
名古屋ではたった2日で、年間総雨量の3分の1の500ミリ以上の雨が降った「東海豪雨」。
住宅の浸水は約7万棟。犠牲者は10人に。
名古屋市は約4割が浸水し、ナゴヤドーム(当時)も水びたしになりました。観測史上最大となった雨に、多くの市民が都市水害の怖さを知ることになりました。
「まだ多くが伝えきれていない」
そしてきょう…
(松本道弥アナウンサー)
「名古屋市西区を流れる新川の堤防です。きょうはパラパラと弱い雨が降っていますが、25年前のきょう、東海豪雨が襲いました。その影響でこの堤防は決壊し、名古屋市内は広い範囲で浸水被害がありました」
新川の決壊現場が目の前にある「あし原公園」では、豪雨を経験した地元の人たち約30人が集まり、語り継ぐ集会が開かれました。
(80代)
Q25年、節目の年ですが…?
「節目なんてないよ。毎年思い出す。つらいことはいっぱい思い出しますよ。語り尽くせない」
当時、公園に咲いたスイセンの花に被災者が励まされたことにちなんで、きょう、あらためてスイセンの球根が植えられました。
(東海豪雨を語り継ぐ会 石田音人代表)
「風化したようでまだ多くが伝えきれていないと感じる。生きている限りはやろうと思って準備をしたい」