「本当に海だもん…」あの日何が起きたのか 浸水・停電・交通まひ・災害ごみ…“忘れられない浸水被害” 映像を振り返る【東海豪雨25年】

大都市・名古屋を襲った未曽有の豪雨から25年。当時の様子を振り返ります。
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この日1日で降った雨の量=428ミリは、名古屋地方気象台が1890年に観測を始めて以来、今なお最大です。
名古屋市天白区では…
(2000年9月 撮影:伊藤嘉苗さん)
「洪水だよ!もうあそこの家なんか…床上浸水じゃないこれ!玄関までいってるよ、水」
愛知県や岐阜県を中心に、一時約38万人に避難勧告が出され、多くの人が不安な夜を過ごしました。
(避難所で指示する男性 愛知・春日井市)「まだ雨がどうなるかわからないので、これで大丈夫という保証はありません」
(避難した女性)「心臓がドキドキしている。寝られない」
夜が明けると“目を疑うような”光景が…
交通機関もマヒ。東海道新幹線は9月11日の夕方、74本が立ち往生。さらに、名古屋空港をはじめ、各地で相次いだ停電。愛知県での電気の完全復旧には、5日間を要しました。
2000年9月12日、夜が明けると目を疑うような光景が広がっていました。
名古屋市西区の新川左岸の堤防が、約100メートルにわたり決壊。
(記者)
「このマンションでも、1階の屋根に近い部分まで水が来ているため、ブロック塀伝いに住民らの救出作業が続けられています」
被害が広がったのは、西区周辺や天白区の野並地区も。
(女性)
「本当に海だもん。1階も全部海。もう本当に再建できんわ…」
水が引いたあとには4万5000トン余りの「災害廃棄物」
この日、大石アンカーマンも各地を取材。
(大石邦彦アンカーマン)
「おばあちゃんが避難できなかったんでしょうか。自衛隊の方におんぶされて、いま避難所に向かうんでしょうか」
(ボートに乗り避難する男性)
Q.避難先に?家とかは?
「もうだめだね、壁が落ちちゃって」
(男性)
Q.お店の中にも?
「水が入っています。(商品が)浮いています」
Q.ダメになったものも?
「多いですね。困りました」
水が引くと残ったのが「がれき」。
名古屋市は4万5000トン余りの「災害廃棄物」を受け入れることになり、全ての処分が終わるまでに約7か月を要しました。