【異常気象】大雨による都市型水害「内水氾濫」 危険性について専門家が解説 「浸水継続時間も確認して」

近年増えているのが大雨です。1時間に80ミリ以上降る猛烈な雨の発生回数は、1980年頃と比べて約2倍に増加しています。
地球温暖化により空気中の水蒸気の量が増えていることが、要因と見られています。
内水氾濫に備え事前に「ハザードマップ」で浸水の被害予測を確認する
大雨が降った時、都市部で起きやすいのが、「内水氾濫」です。どのような現象なのか、中央大学の古米弘明教授(都市環境工学)に聞きました。
中央大学 古米弘明教授:
「まず内水氾濫とは、川が溢れるのではなくて、市街地に降った雨が川などに配水できない場合に浸水が起きている状態をいうので、市街地の窪地や鉄道のアンダーパス、地下街といった標高が低いところに水が集まるので、そこが非常に危ないところだということを理解することがとても重要」
そこで、名古屋市では、「内水氾濫ハザードマップ」を作成しています。ハザードマップでは、濃い色の地域ほど、内水氾濫による浸水被害が大きいと予想しています。さらに、地図を見る上でのポイントが。
中央大学 古米弘明教授:
「浸水継続時間という図も右上に載っている。浸水の深さだけでなく、どれだけ継続するかもとても大事な点なので、見ていただくと非常に浸水状況、あるいは回復が早いのか遅いのかを理解できる。一旦浸水が始まってまだ歩ける状態のときでも、危ない方向に行くと深くなってしまうので、一番近いルートではなく安全に避難場所に行けるルートを事前に調べておくと安心感を持って浸水の被害から逃れることができると思う」
気候変動で雨の降り方に大きな変化が 豪雨が2、30年に1回起こる可能性も
先日の台風15号の影響で、愛知県岡崎市では、レーダーで、1時間の雨量が、80ミリを解析するなど、猛烈な雨となりました。
中央大学 古米弘明教授:
「気候変動で雨の降り方が変わってきている。東海豪雨があった、だけどめったに起きたことはありません。実は100年に1度くらいの現象が、今度は2~30年に一回起きるかもしれない。今までの経験も大事だが、将来はもっと厳しい豪雨が発生しやすくなる心構えは大事。もう一つは、いろいろな地域で豪雨が起きて災害が起きている。それをテレビで他人事のように見るのではなく、同じようなことが自分の地域でも起きるかもしれないと自分ごとに捉えることを徹底していくことが大事」