あなたのカード情報が狙われている?「ETCシステム障害」に便乗した巧妙な詐欺に注意 CBCスタッフに届いた“不審メール”

今月発生したETCのシステム障害で高速道路の料金所などはETCが使えず大混乱になりました。こうした中、CBCテレビのスタッフに高速道路事業者をかたって『ETC料金が未払い』だとし、支払いを求めるウソのメールが届きました」
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(ウソのメール)
【あなたのETCアカウントに未払いの料金があります。期限内に支払いが完了しない場合、ETCアカウントが「一時停止」される可能性があります】
なにやら…不安を煽るような内容の一通のメール。実はおととい「ETC利用照会サービス」を名乗るメールアドレスからCBCの男性スタッフに届いたものです。
(CBCスタッフ)「車に乗る頻度は週に2~3回で、高速はそんなには使わない」
メールには、ETCの未払い料金として今月末の30日までに6000円支払うよう書かれていますが…
不審なメール…ETCのサイトやNEXCO中日本に確認すると…
(CBCスタッフ)「『乗ったっけ?』と思ったけど、自分のETCのサイトを見て利用していないことを調べられたので、確実に乗っていないから詐欺じゃないかと感じました」
やはりメール内容は全くのウソ。スタッフがすぐさま高速道路を管轄するNEXCO中日本に連絡し、次のような回答が寄せられました。
そこには…客の個人情報を不正に手に入れようとする偽サイトに注意するよう書かれてあったほか、こんな呼びかけが。
メールアドレスの@アットマークから後ろの部分の表記が、スタッフに届いた偽メールとは全く違っていました。スタッフあての偽のメールはその後も頻繁に届き、これまでに7通届いています。
(CBCスタッフ)「このメールが届いて『払わないといけない』と思う人は多いと思う」
この詐欺の背景にあるのは、今月6日に起きたETCのシステム障害。ETCの料金が支払えない状態が、愛知県など1都7県の約100か所の料金所で起きました。
その際にNEXCO中日本は、料金所の開閉バーを開放し、ETCの専用レーンでの通行を容認するという処置を行いました。現在、料金の精算をホームページで呼びかけています。
専門家が指摘「1パーセント弱の人が自分のことだと思ってしまう」
約96万台に影響があったとみられるこの騒動を「詐欺」を働く側が見逃さなかったと専門家は指摘します。
(ITジャーナリスト 三上洋さん)「私の手元にも(詐欺メールが)来た。1万通送れば約100通の人は『自分のことか?』と思う人が出てくる。犯人グループにとっては、とてもおいしい時事ネタだということです」
メールを不特定多数のアドレスに送ることで、心当たりがある人からカネをだまし取る詐欺の手口。
中でも最近では、地方銀行や信用金庫を騙る詐欺メールや「宅配便の送り先の住所が間違っていた」などと言った内容のメールを送り、アクセスした人がクレジットカードなどの情報を抜き取られる被害も報告されているということです。
CBCスタッフに送られたメールの請求金額は6000円でしたが、目的はクレジットカードの情報だと専門家は見ています。
複数のカード番号を全部入力させる…巧妙な手口も
(ITジャーナリスト 三上洋さん)
「6000円という請求に対して、クレジットカードの情報を入力させる。そのクレジットカード番号を盗み取って不正利用する」
「クレジットカードの番号を入力すると『間違っています。他のカードを入力してください』、もしくは『対象のカードではありません。他のカードを入力してください』と称して、複数のクレジットカードを持っている人の番号を全部入力させるという手口もある」
そして、巧妙な詐欺の手口に対し何よりも大切なのは「全てを疑う気持ち」だと強調します。
(ITジャーナリスト 三上洋さん)「(パソコンの)メールやショートメールのリンクは押さない。たとえ本物であっても押さないというルールにする。本物で内容が気になる場合は、公式サイトや公式アプリを見ればいい」