入社1日で辞めるケースどう防ぐ…高市内閣の所信表明で「介護職場の待遇改善」に意気込み 支援策も 現場の声は?名古屋

(高市総理 所信表明)
「赤字に苦しむ医療機関や介護施設への対応は待ったなし。診療報酬・介護報酬については、賃上げ 物価高を適切に反映させていくが、報酬改定の時期を待たず、経営の改善および、従業者の処遇改善につながる補助金を措置し、効果を前倒しする」
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高市総理は、介護の現場で働く人たちの待遇改善に取り組む姿勢を強調。原則3年に1度で、2027年度に予定されている介護報酬の改定の前に、支援策を実施する考えを明らかにしました。そこで…
(松本道弥アナウンサー)
「名古屋市北区です。高市総理が掲げる介護現場の待遇改善、現場の声を聞いてみます」
訪ねたのは住宅型有料老人ホーム。ここでは20代半ばから60代の職員25人が、入居者30人の身の回りのサポートを行っています。
「職員が減るのは寂しい」現場の声と利用者の声
調査会社によると、こうした介護事業者の昨年度の倒産は前年度から36.6%も増え、179件と過去最多。
新型コロナの影響を受けた2022年度の144件を大幅に上回りました。要因は利用者の獲得競争の激化や、介護用品の高騰などさまざまですが、現場の人手不足は深刻です。
Q.”人手不足”実際にどうですか?
(運営会社「Eグループ」 本田和寛社長)
「苦しいですね。本当に苦しいです」
この1年の間に、入社1日で辞めてしまうケースも相次ぐなど、人材確保は課題だと言います。1日7人ほどのスタッフが業務にあたっており、あと1人か2人、増やすことができれば「だいぶ楽になる」とのこと。
Q.職員の働きぶりは?
(女性入居者(79))
「みなさん一生懸命。大変じゃないかなと思う」
Q.職員が少なくなるのは寂しい?
「寂しいし、困る。これから人が必要でしょ」
入社した職員にコメ50キロなどが選べるプレゼントキャンペーン
人が集まらない大きな理由には「報酬の低さ」があります。
厚生労働省の調査によると、介護職員の昨年の平均月給は30万3000円。前年からは3000円ほど増額しましたが、賃上げの流れが進む全産業平均と比べると、8万円ほど低く、大きな開きがあります。
さらなる介護報酬の引き上げがこの差を縮め人材確保にもつながれば…
事業者側の高市政権への期待は高まります。
(本田社長)
「給与も他産業と同じか、他産業よりも給与を高くしてほしい」
増え続けるコストを削る経営努力も続いています。
ここ2年で光熱費は1.5倍にふくらみ、入所者に提供する食費も1割増えました。
施設では、大きな水槽に熱帯魚を飼っていました。しかし、月5万円の費用がかかっていたため、10分の1の5000円で済むリクガメに変えたそうです。
また、人材確保もあの手、この手です。来月からは採用の際、紹介者と紹介されたそれぞれの職員に米50キロなどが選べるプレゼントキャンペーンに参加してもらう予定です。
Q.高市政権に期待することは?
(本田社長)
「安心して高齢者がサービスを受けられて、介護職員が安心して働き続けられる環境を実現してほしい」





