
早すぎる暑さによる“熱中症” 救急科の医師「重症に至りやすい」発生場所のうち4割が“住居”というデータも


東海地方は2025年6月19日、各地で猛暑日となる暑い1日となりました。名古屋の病院では熱中症の疑いがある搬送が増えていて、医師は「早い時期の暑さだからこそ、注意が必要」と呼びかけています。
■「熱中症疑い」の通報が急増…約6割が高齢者
東海地方は19日、真夏のような暑さとなりました。岐阜県の多治見で36.9℃、名古屋で36.3℃など、東海3県の16の観測点で35℃以上の猛暑日となりました。 名古屋市消防局の「防災指令センター」は、365日24時間体制で市民からの119番通報に応えています。今週になって増えているのが、熱中症の疑いがある症状の通報です。 例年、熱中症の疑いがある通報は、6月下旬以降に増えていますが、2025年は10日ほど早く今週に入って急増しています。

愛知県内に熱中症警戒アラートが出されていた18日も、通行人から「高齢男性が路上で倒れている」と、熱中症の疑いがある症状の通報がありました。 消防職員: 「倒れている方は男の方?女の方?大体でいいんですけども、おいくつくらいの方ですか?」

こうした通報のうち、およそ6割が65歳以上の「高齢者」の熱中症です。また、熱中症の発生場所のうち4割が「住居」というデータもあります。 暑さを感じにくい高齢者が、室内でエアコンや扇風機を付けずに過ごしてしまうことが原因の一つになっています。 名古屋市消防局救急部救急課の石田卓也消防司令補: 「熱中症による搬送者の数が増えてきています。自分で水が飲めなかったり、意識がない、全身のけいれんがある場合には、ためらわずに救急車を呼んでください」
■“早すぎる暑さ”による熱中症は「重症に至りやすい」
中川区にある名古屋掖済会病院の救命救急センター「ER」では、軽症から一刻を争う重症まで、多くの患者を受け入れています。

先週までは殆どなかった熱中症などの「暑さ」による搬送が、今週に入り1日に数人ほどと急増しているといいます。 医師は、この“早すぎる暑さ”による熱中症は「重症に至りやすい」とし、注意を呼びかけます。 救急科の鷲崎智行医師: 「今の時季に突然気温が上がってきましたので、体もまだ慣れていないですし、そもそも気持ちとか生活上も準備ができていない。そういう状況で熱中症になると、重症に至ってしまいやすいと思いますから、早め早めの行動がいいかと」

大量の汗をかき身体の中の水分が減ると、腎臓や肝臓などが十分機能しなくなる恐れもあることから、医師は、熱中症を軽く見ずに、水分補給など基本的な対策をとるよう呼びかけています。 鷲崎医師: 「冷所で安静にする、気温が高い環境で無理に動かない、塩分を含む水分補給をしっかりこまめにしていだだくとか、一般にいわれることが一番重要だと思います。この季節に関しては、熱中症になる可能性があるということを心に留めていただくことがすごく重要かと思います」