
2025年産の新米が店頭に…お米の価格はどうなる? 名古屋のコメ店「安かった頃の価格にはならない」

一般的な新米は秋に収穫されて店頭に並ぶものが大多数ですが、それよりも早く収穫される「早場米」が出回り始めました。新米が出始めたことで、お米は安くなるのでしょうか?名古屋のコメ店で聞きました。

早くも2025年産の新米が名古屋でも出回り始めました。
名古屋市千種区のコメ店「米 伍代目 善太郎」の店頭で売られていたのは、市場にあまり出回らない佐賀県産「七夕コシヒカリ」。5kgで税込み5980円と、なかなかプレミアムなお値段です。
Q.新米の値段、例年に比べてどうですか?(島津咲苗アナウンサー)
「去年と比べると1.4倍くらい」(「米 伍代目 善太郎」小川潤 代表取締役)
新米の価格は去年の約1.4倍になっていました。
Q.どうしてここまで値段が上がっている?
「要因はいくつかあるんですけど、農協が農家からコメを買い入れる『概算金』が去年より大幅に上がっている」(小川さん)
概算金とは、JAが農家から米を集荷する際に、前もって支払うお金のことです。
ちなみに去年、JAあいち経済連が農家に支払った概算金は、コシヒカリ60kgで1万8000円でした。
各県のJAがそれぞれ独自で金額を決めるため、生産地や銘柄によって差が出ますが、概算金はその年の米の流通価格を形成する指標にもなっています。
JAが大幅に上げた「概算金」

そんな概算金が、去年より大幅に上がったというのです。
なぜかというと…
「農協にとっては、去年コメが集まらなかった。今は自由市場なので、農家としてもコメを高く売りたい。集荷の競争がある」(小川さん)
去年はJAが農家に提示した概算金より高く買う業者がいたため、そちらにコメが流れてしまい、JAが米を確保できなかった。そのため、今年は概算金を大幅に上げたといいます。
Q.備蓄米も放出されたが、それでも新米は高い?
「令和6年産のコメが需要に対して少なかったため高騰した。新米の作付面積を政府が増やすという話だが、高温・渇水が続いているため、どれだけコメが取れるか未知数。このため相場の価格が引き継いで新米の方になだれ込んできている」(小川さん)
今年は群馬県で観測史上最高の41.8度を記録するなど、とにかく暑い。
その影響でコメがどれだけ収穫できるか見通せないため、価格が下げられない状況だといいます。
Q.令和7年産のコメがどれだけ取れるか見通しが立ってくれば、落ち着いてくる可能性もある?
「その可能性もあると思います。ただ以前のようなコメが安かった頃の価格にはならないと思います」
「農家も生産コストが上がっている。資材・肥料・燃料など生産コストがどんどん上がっている以上、前のような価格で販売すると農家が続けられなくなるので、ある程度の価格を維持していかないといけない」(小川さん)