
備蓄米流通もコメの価格高止まり コメの「逆流」状態も・・・ 岐阜の卸売業者「暴利は出ていない」

備蓄米が出回るようになりましたが、いまだにコメの価格は高止まりしたままです。なぜ価格は下がらないのか、その手数料が一因とも指摘された卸売業者が苦しい胸のうちを明かしてくれました。

6月2日、イオン熱田店で政府備蓄米が店頭で販売されました。購入した人は-。
2児の母:「本当に魅力的でありがたい。高くて買えない方が子育て世代にはつらい」
午前6時半から並んだ人:「本当にこの金額で手に入るとは思っていなかったのでびっくり」
6月から大手スーパーなどで販売が始まったいわゆる「小泉備蓄米」。5キロ2000円程の価格に大行列もできました。

5月23日会見・小泉農水相:
「店頭で2000円、提供できるかたちで売り渡しをさせていただく予定」

小泉農水大臣の就任以降、加速する“備蓄米の放出”
卸売業者などを通す通常のルートとは違い、国が直接、スーパーなどに売りわたす形を取り、スピード感をアピール。
その影響か、スーパーで販売されるコメの平均価格は3週連続で値下がり。備蓄米の放出は、一定の成果を出しているようにも見えます。

コメを手に入れてほっとする消費者がいる一方でこの政策で“飛ばされる”形になった卸売業者は…。
ギフライス 恩田喜弘社長:
「(大手小売が)随意契約でコメを買い入れた。その業者は精米設備を一切持っていないので精米は僕ら卸売業者、大型精米工場の機械を使って精米しなきゃいけない」

今までは卸売業者を通る過程で、精米作業をしてスーパーに卸していましたが、備蓄米では、スーパーが卸売業者に精米を依頼する、「逆流」のような状態が発生。
こちらでも通常の業務とは別に、小売店からの依頼を受け備蓄米を精米する計画をたてているといいます。
備蓄米の流通から飛ばされた上、一部では、コメの高騰はその「手数料」が原因なのではと言われた卸売業者。
ギフライス 恩田喜弘社長:
「そんな暴利は出ていない。本当にもうけたくても相手から他のユーザーが安く入れるって言われればその値段に合わせたり、とにかく安定した価格で安定供給。これが大前提ですので」
いつコメの価格は落ち着くのか・・・国は調査方法の改革にも乗り出しました。
過去30年のコメの収穫量と比較してその年の「でき」を数値化した「作況指数」を実態と合わなくなっているとして廃止。
最新技術の活用や生産者からの情報を重視し収穫量把握の精度をあげることを目指すとしています。

高齢化で維持できなくなった農地などを引き取りコメ作りをしている、サンフレッシュ海津の髙木健一社長。適正な価格でコメが流通することを望んでいます。
サンフレッシュ海津 髙木健一社長:
「実際の数値とかなりずれたものが世の中に出回るよりはなくなった方がいいかなと。今までおコメはずーっと報道されてきているように赤字だった。(国には)中長期的な政策を打ち出してもらってそれに伴って我々の計画をするというのがあるべき姿だと思う」
日本の主食、コメ。政治の力で誰もが納得できる価格で流通させることはできるのでしょうか。
【中京テレビ 「キャッチ!」 6月18日放送より】