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【県内唯一】「ごかつら池どうぶつパーク」内に野生動物の保護施設が誕生 減少する特別天然記念物“カモシカ”などを保護へ 三重・多気町

10.02(木)14:36
特別天然記念物のカモシカなどを保護するための拠点が、三重県内で約20年ぶりに復活しました。
三重県多気町の動物園「ごかつら池どうぶつパーク」と、カモシカの生息調査などを行うNPO法人ECCOMの連携により、どうぶつパーク内に野生傷病動物保護施設を設置。9月16日には関係者を招いた内覧会が開催されました。
三重県内の野生傷病動物保護施設は、2006年に財団法人日本カモシカセンターが閉園して以来、約20年間存在していませんでした。その間、衰弱したカモシカなどが発見されても保護することができず、そのまま野に放すしかない状況が続いていたということです。
今回の施設は、かつて「猿山」として使われていた直径約15m、深さ3.5mの円形エリアを、環境再生保全機構の地球環境基金2025年度助成を受けて整備。カモシカが保護された場合は非公開エリアにて治療を行います。一般公開の予定はありませんが、限定イベントなどで公開する可能性はあるということです。
ECCOMによると、かつて三重県内にはカモシカが1000頭ほど生息していましたが、現在は100〜300頭程度まで減少しているということです。温暖化の影響で雪が減少し、通常は低地に生息するシカが1000メートル級の山にまで生息域を広げ、カモシカの生息地を圧迫していることが原因の一つとされています。
この保護施設では主にカモシカの保護を想定していますが、どうぶつパークで受け入れ可能な他の野生動物についても、状況に応じて保護を検討するとしています。
この施設を拠点として、県内の希少動物の保護・治療・リハビリ・野生復帰に向けた活動を進めながら、将来的には全国約20か所のカモシカ飼育施設と提携し、繁殖活動も視野に入れていきたいということです。