「太陽と風の力だけで塩作り」海水を汲んでから2週間以上かけて塩分濃度が高い塩が完成

電気やガスを使わずに、昔ながらの製法で塩をつくっている若き職人を取材しました。
南知多の海岸で、海水を汲んでいる男性がいました。
塩職人、内田翔璃(うちだかいり)さんです。
内田翔璃さん:
「(海水の重さは片手で)20キロです。」

内田さんの作る「塩」は、完全天日の塩。
一体、どんな塩なのか、作業場であるビニールハウスの中を覗いてみると
内田翔璃さん:
「(電気や釜など何も)使っていないです、完全にサステナブルで太陽と風の力だけで塩を作り上げています。」
海水を乾かす際に火も使わないという「こだわり」です。
内田翔璃さん
「塩づくりって釜が昔が多かったのでまきが必要じゃないですか。
そのために木を切っていたんですよね。それを今やったら二酸化炭素とか騒がれている中でそこをできるだけ自然の力だけでやっていくことに拘っている。」
完全天日の塩づくりのポイントは「温度」です。
海水の中にある雑菌をなくすためには、水温を50度以上にする必要があります。
よってビニールハウスの中は…
内田翔璃さん:
「温度はこの時間(昼間)で45℃ですけど夏場だと85℃とかいきますしそれくらい暑い中で作業しているのでそこはちょっと大変なところではあるのかなと。」
室内の温度を上げるために工夫しているところも。
内田翔璃さん:
「50度以上いかせる努力というのを鏡であったり反射板などを使っています。」

2週間後、再びビニールハウスを訪れると・・・
内田翔璃さん:
「こんな感じに出来上がってきたので今から収穫しようと思います。」
ここから仕上げ作業です。
塩のにがりを落として、1日、風で蒸発を促しながら乾燥させていきます。
海水を汲んでから2週間以上かけて、塩分濃度が高い塩が完成しました。
内田さんの今後の目標は。
内田翔璃さん:
「日本の塩の自給率を絶対に上げていかなければいけないと思っているのでそこを今11パーセントですけど20パーセント30パーセントと上げていけるように行政や企業と連携して少しずつ進めていければなと思っています。」