
「絶対に生き延びてもらう」突然の災害に親子で備える時間を “防災ママ”に聞く日常からできる備え

突然の災害に、子どもとどう備えるのか、日々の暮らしの中でできる工夫をお伝えします。

愛知県知立市に住む、原田さん一家。小学1年生の悠杜君と4歳の唯花ちゃん、仲良しのきょうだいです。
母親の友紀さんは「防災ママかきつばた」のメンバー。愛知県を中心とした全国の親たちと一緒に、親子向けの防災イベントの企画や情報発信をしています。
大切にしているのは、“日常の中での声かけ”。7月にカムチャツカ半島付近で地震が起きた際も、広い範囲に津波警報が出たのを機に、子どもたちと「津波」について考えました。
「ニュースの映像を見て、今は海外で大きい地震が起きて、日本に津波が来ているんだよという話をして、この水はただの海ではなくて車がきていたり、人が流れていたり、石があったり、危ないお水なんだよという話をしました」(防災ママかきつばた 原田友紀さん)
ゲーム感覚で停電対策

夏休み、子どもたちと「防災を学ぶ時間」を作った原田さん。普段からできる工夫を教えてもらいました。最初のテーマは「停電対策」。
「部屋を真っ暗にして、危ない場所を探すゲームをし、蓄光テープを張りました」(原田さん)
暗くした部屋を歩いたり、走ったりしてみて、危ない場所を見つけたらそこに蓄光テープを貼るゲームです。
楽しみながら学ぶことで、恐怖心を減らすメリットも。
「親が勝手にやってしまうと、子どもが、いざ地震が来た時に、「どうしよう」となるので、主体性を持たせています」(原田さん)
ランドセルをヒントに防災リュックづくり

続いては「防災リュックづくり」。ヒントはランドセルです。
「いざという時に走って逃げられなくて、逃げ遅れて命を落とすこともあるので、背負って歩ける重さというのが大切になってきます」(原田さん)
重要なのは“子ども自身が持てる重さ”。ランドセルと同じくらいの重さになるように、非常時の持ち出し品を詰め込みます。
悠杜くんのランドセルは約3.5kg、防災リュックは3kgほどだということです。さらに“子どもならではのポイント”が。
避難時のストレスを和らげるため、飲み物やおやつ、着替えなどのほかに子どもたちが“好きなもの”を入れておくといいます。
日ごろから非常用トイレにチャレンジ

3つ目は「非常用トイレにチャレンジ」。災害時、多くの人が困るのが「トイレの確保」です。 去年の年明けに発生した能登半島地震のときにも、多くの地域で断水し、長く使えない状況が続きました。
「普段車で使っている、植木鉢の非常用トイレです。車においておいても、邪魔にならなくて、子どものおしりにちょうどいい大きさなので、コスパも考えて、100円ショップの植木鉢を使っています」(原田さん)
作り方は簡単。植木鉢に袋をかぶせ、凝固剤を入れるだけ。子どもたちは普段から車での移動中も、この“植木鉢トイレ”を使っているといいます。
Q.お子さんとやることが大事ですか
「いざここに座って、用が足せるのかを知らないと、緊張などでできないこともあって、我慢したらいけないので普段から練習をしています」(原田さん)
改めて、親子で防災を学ぶポイントは?
「自分の身は自分で守れる。守り方を教えて、絶対に生き延びてもらうことが大切なので、防災意識を高めてもらいたい」(原田さん)