2026年秋開催のアジア競技大会 会場予定地の「愛知県田原市」が住宅地整備でサーファーを取り込み

2026年のアジア競技大会の開幕まであと500日となりました。準備が進む中、愛知県内の自治体の期待も高まっています。開幕まで残り500日となったアジア競技大会。愛知県内の会場を中心に41の競技が実施されます。栄の地下街で始まったイベントでは名古屋市の広沢市長と元サッカー日本代表の楢崎さんが登壇し、大会をPRしました。
大会の準備も着々と進んでいます。5月2日にはOCA(=アジア・オリンピック評議会)の役員らが選手の宿泊施設となる名古屋港ガーデンふ頭周辺を視察。あわせて進捗を確認する会合なども行われました。OCAのタヤブ委員長は「特筆して警告すべきことは上がってきていない。われわれは正しい方向に準備を進めることができている」などと評しています。
そんな中、大会を心待ちにする自治体がありました。
アジア競技大会「サーフィン」の競技地、愛知県田原市で新たな取り組み

愛知県の南端に位置する田原市。市内には約2キロメートルにもおよぶビーチがあり、アジア競技大会の「サーフィン」の会場予定地となっています。
そのビーチから5分ほど歩いた先にできたのがモデルハウス。アメリカ西海岸風のこの家では、ビーチから上がってきて外付けのシャワーを浴び、そのまま浴室に入ることができるほか、外壁は潮風による塩害に強い構造になっているなど、サーファーにはうれしい機能が備わっています。
「サーファーは是非、移住して」愛知県田原市が住宅整備で人口減少へ

これを整備する計画を立てたのが田原市です。実は田原市はサーフィンを市の資源として活用し、市への移住や定住を促進する「田原市サーフタウン構想」を掲げています。モデルハウス周辺を分譲住宅として販売していて、第一期で販売した3区画はすでに完売。3月に行われた見学会では、広さや使い勝手について、見学に来た人に対して説明していました。
見学に来た人:
「思っていた通り、良さそうだなという印象」
市がこうした取り組みを進める背景には人口減少があります。
田原市 企画課 今井伸一さん:
「生まれる子どもも年間200人ちょっとになっていて、人口減少は田原市でも大きな問題となっている。行政としてもサーフィンをただのスポーツとしてとらえるのではなくて、田原市の優れた資源として地域の活性化の材料として使えるというのはすごく大きなこと」
田原市は、アジア競技大会の開幕前に駐車場を拡張する方針で、大会関係者や観客にも「サーフィンのまち・田原」のアピールを進めたい考えです。

大会への期待が高まる中、懸念されるのが開催経費です。パラ大会と合わせて当初1000億円程度とされていましたが、人件費や建築資材の高騰などによって2倍以上になる見通しとなっています。さらに先月に競技が一部追加されたことでさらに上振れする可能性もあります。
組織委員会は国などに財政支援を求めるとしていますが、今後どうなるか引き続き注視する必要があります。