
乳児が車内に閉じ込められ熱中症に…ガソリンスタンドで給油中にインロック 危険な暑さに注意

連日、各地で体温を超えるほどの猛暑が続き、多くの人が熱中症の症状で救急搬送されています。岐阜市では7月28日、生後4カ月の乳児が車に一時、閉じ込められ、中程度の熱中症と診断されました。閉じ込めの理由は意図せずに鍵がかかる「インロック」でした。

28日午前11時18分、岐阜市内のガソリンスタンドから岐阜市消防本部に「娘が車に閉じ込められた」と女性から通報がありました。給油中の出来事でした。
救急隊が駆け付けたとき、すでにロードサービス業者が車の開錠作業に取り掛かっていました。車内にいたのは生後4カ月の乳児で、通報から10分後に車から助け出されました。
岐阜市消防本部によると、乳児は意識もしっかりしていて、脈拍や呼吸などにも異常はありませんでしたが、搬送先の病院で中程度の熱中症と診断されました。
消防の担当者は「乳児は自分の言葉で体の異常を訴えることができないので、成人よりも熱中症を見抜きにくい」と話します。
インロックはなぜ起こる?
JAFの発表によると、去年8月1日~8月31日の1カ月間でJAFが出動した「キー閉じこみ」(インロック)による救援のうち、子どもやペットが車内に残されたままだったケースは全国で54件ありました。このうち緊急性が高いと判断し、通常の開錠作業ではなく、ドアガラスを割るなどしたケースは7件あったということです。
JAFの聞き取り調査では、閉じこみの原因には「子どもを車内に残し、ドアを閉めたところ、子どもがドアをロックさせた」、「ペット(犬)が誤ってロックボタンを押した」などがあったということです。
また、国民生活センターのHPには同じくインロックの事例が紹介されています。
「運転席に移るためチャイルドシートに子ども(2歳)を乗せ、外に出てドアを閉めたら、オートロックがかかり炎天下で子どもが閉じ込められてしまった。電子キーは車内に置いたままだった。子どもに異常は見られなかったが、念のため病院で点滴を受けた」というもので、国民生活センターは「人や荷物の乗降の際には短時間であっても必ずキーを持って行動しましょう」、「エンジンが停止しているときに電子キーの電池が切れるとドアがロックされる場合があります」と定期的な電池の交換などを勧めています。
岐阜市消防本部の担当者はインロックの備えとして、「ガソリンスタンドでの給油などでの短時間であれば、少しだけ窓を開けて風を通るようにすれば、インロックされても熱中症にかかるのを遅らせられる可能性がある」と話しています。
(メ~テレ クロスメディア部 水野健太)