元参院議員・大野泰正被告「無罪を主張します」 自民党派閥の“裏金”事件で初公判 3代続く政治家一族

自民党派閥の政治資金パーティーを巡る“裏金”事件で、岐阜選挙区選出の参議院議員だった大野泰正被告の初公判が開かれました。
初公判を前に、東京地裁に姿を現したのは岐阜選挙区選出の参議院議員だった大野泰正被告(66)です。
去年1月、自民党派閥の“裏金”事件で政治資金規正法違反の罪に問われ、在宅起訴されていました。
起訴状によりますと、大野被告は秘書だった岩田佳子被告(62)と共謀し、2018年から2022年分の政治資金収支報告書に、旧安倍派からのキックバック約5100万円を記載しなかったとされています。
注目の裁判の傍聴券を求めて、裁判所前にはたくさんの人が。
そして午後1時半から始まった初公判。
大野被告は「この件が報道されるまで、収支報告書に記載しているかしていないかもわからなかった。共謀など一切ありません。犯罪を犯したことはありません。私は無罪を主張します」と徐々に強い口調へと変えながら、検察の主張を否認しました。
検察側は冒頭陳述で「パーティー券の還付金を寄付金と認識していた」「収支報告書の案を確認し、虚偽と認識していたにもかかわらず、寄付金に還付金を加えた金額に修正するよう指示しなかった」と指摘しました。
大野被告は無罪を主張

自民党派閥の政治資金パーティー券の収入の一部が議員側にキックバックされ、収支報告書に記載されていないとされる、“裏金”問題。
東海地方では、現職国会議員で唯一の逮捕者が。愛知3区を地盤にしていた元衆院議員、池田佳隆被告は去年1月、派閥から受け取ったとされる約4800万円を収支報告書に記載しなかったとして、逮捕・起訴されました。
さらに…
「本日私は公判請求をされました」(大野泰正被告)
去年1月の会見で、大野被告は自身の関与を否定しました。
「収支報告書の作成・経理面については、全て事務所スタッフに任せていた。ですから、私が収支報告書に関与したことはない」(大野被告)
その後、自民党を離党した大野被告は、無所属のまま議員活動を継続。7月の参院選への出馬も取りざたされましたが…
公示の直前になって出馬を見送ることをブログで明らかにしていました。
そして迎えた10日の初公判。一連の事件で立件された国会議員の裁判が公の法廷で開かれるのは初めてです。1年半前の会見では…
「検察との間の意見の相違があるので、裁判においてしっかりと自らの主張をしたい」(大野被告)
祖父・伴睦氏は初代自民党副総裁

大野被告は2013年に参院議員に初当選。祖父も両親も国会議員という政治家一族のもとに生まれました。
祖父の伴睦氏は、自民党の初代副総裁。義理と人情を貫いた人物とされ、東海道新幹線の停車駅である岐阜羽島駅の設置にも尽力したといいます。
祖父の代からの地盤を受け継いでいた、大野被告。
事務所のスタッフによると、大野被告から「事務所を頼む」と言われて以降、岐阜県羽島市の事務所には姿を見せていないということです。
地元の有権者は…
「身が潔白だったら参議院選挙に出ればよかった。出なかったということは何か腹の中にあったのではないか」(羽島市民)
「汗水垂らしたお金でしょ。はっきり白黒出してほしい」(羽島市民)