名古屋駅近くで歩行者3人死傷 容疑者「人にぶつかっていない」 交通事故鑑定人が分析

15日朝、名古屋駅近くの交差点で歩行者3人が車にはねられ、1人が死亡しました。防犯カメラが凄惨な事故の一部始終を捉えていました。
15日午前7時40分ごろの名古屋駅近く、通勤・通学の人が行き交う交差点で事故は起きました。
防犯カメラ映像では、画面の手前から、かなりのスピードを出した車が現れ、縁石にぶつかり、その勢いのまま、人々が行き交う横断歩道に突っ込んでいきます。
「事故を起こした車は猛スピードでスロープを下り、縁石に乗り上げ、逆走するかたちで横断歩道をわたっている歩行者を次々とはねていきました」(記者)
事故があったのは、名古屋駅近くの名鉄バスセンターの出入り口付近。
警察によりますと、男女3人は横断歩道を渡っていた際、軽乗用車にはねられ、病院に搬送されました。
稲沢市の会社員、田中幸子さん(49)が死亡、36歳の男性と48歳の女性がそれぞれ骨折などの大けがをしました。
なぜ事故は起きたのか――
警察によりますと、車はこの駐車場につながるスロープを曲がり切れず、反対車線側に突っ込んだまま、横断歩道で事故を起こしたとみられています。
事故を目撃したという人は――
「自分が先頭集団を歩いていて、その真後ろくらいの3人がこっちから勢いよく来る車にひかれた」(事故を目撃した人)
Q.車はスピードが出ていたか?
「結構出ていた。周りは騒然としている感じ」(事故を目撃した人)
「人にぶつかっていない」と容疑を否認

警察は車を運転していた、名古屋市北区の職業不詳、鳴海洋容疑者、71歳を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。
事故の目撃者は運転手について――
「高齢の人だったと思います」(事故を目撃した人)
Q.事故を起こした後の運転手の様子は?
「車から出てこない感じ。出てこられなかったのか、救急車とか警察が来るまでは、車からは出ていなかったと思います」(事故を目撃した人)
鳴海容疑者は、警察の調べに対し――
「人にぶつかっていない」と、容疑を否認しています。
今回の事故があった現場は、名古屋駅からほど近い「下広井町」の交差点。企業や大学などが立ち並び、特に朝の時間帯は人が多く行きかう場所です。
「まさか急に飛び出してくるとは思わないので、いつもの通勤ルートというか、皆さんいつも通り歩いていたので」(事故を目撃した人)
「正直安全だと思っているところで、事故が実際に起きて現場を見ると、5、10分ずれていたら私がという怖さは正直ありました」(事故直後に現場を通行)
警察は、信号が「赤」の状態で、車が横断歩道に突っ込んだとみています。
交通事故鑑定人が分析

今回の事故について交通事故鑑定人の中島博史さんは――
「100km/h近く出ているのではないかと思います。下り坂で少しスピードが出たからブレーキを踏もうと思って、アクセルを踏み間違えてしまったのではないかと思います」(交通事故鑑定人 中島博史さん)
また鳴海容疑者が警察に対して「人にぶつかっていない」と供述していることについては――
「衝突の直前に縁石で跳ね上がっているので、その衝撃で混乱している可能性が1つあります。ただフロントウィンドーは、明確に人がぶつかってできる痕跡なので、認知能力自体が下がっていって、何が起きたのか分からない状態が考えられます」 (中島さん)
警察は事故の詳しい原因を調べています。