白川村ではクマ目撃が昨年度の情報3倍に 岐阜県内のクマは10年で1.3~1.4倍に クマへの警戒続く白川郷 5日にスペイン人観光客がけか

年間200万人以上が訪れる観光スポット、白川郷では5日に衝撃的なことが…
馬場日佳里記者
「白川郷の中では比較的中心部にあたるあたりで外国人観光客がクマに襲われました。シャトルバスの看板には運行休止とかいてあります」

白川郷内の「展望台行きシャトルバス乗り場」付近で5日午前8時半ごろ、2人組のスペイン人観光客のうち、40歳の男性1人がクマに右腕をひっかかれるケガをしました。
男性らは近くの観光協会に逃げ込み「草むらから出てきた子グマに襲われた」と話しているということです。
クマ出没の影響で展望台付近の遊歩道はすべて通行止め。合掌造りのすぐそばには捕獲用のワナが設置され、観光名所は警戒を強めています。
6日、村にある小中一貫校では、ランドセルについたクマよけの鈴が鳴り響いていました。

渡瀬はるか記者
「クマ出没を受けて子どもたちが保護者とともに登校してきました。先生の手元にはクマ撃退スプレーがあります」
クマ出没を受け、保護者が車で子どもたちを校門の前まで送っていました。
白川郷学園 川瀬秀樹校長
「まず教育活動中は外に出ないことや窓を閉めること」
「子どもの命を守るっていうところだけは外さないように最優先に考えていきたいと思います」
学校では1週間の間、登下校時に、保護者による送迎をお願いして対応していくとのことです。
白川村では10月5日時点で目撃情報が90件以上となっていて、現時点ですでに昨年度の3倍に増えています。
また、岐阜県全域で見ると今年度は23市町村で447件の目撃情報があり、実際に人が襲われてケガをした事例も3件あります。
愛知県内の学校の中には、中津川市内で行う校外学習の内容を変更するところも。

クマの生態に詳しい、岐阜大学の浅野玄准教授によると、岐阜県内のクマの個体数はここ10年で1.3~1.4倍に増えており、人の少ない朝や夜に活動することが多く、12月末までは出没の可能性があるので注意が必要だということです。