後を絶たない子どもを狙った盗撮被害 ネット上ではおぞましいやり取りも 被害の実態

SNSにあふれる盗撮画像、その実態。後を絶たない子どもを狙った盗撮被害。ネット上では、おぞましいやり取りも。
26日送検されたのは、名古屋市の小学校の教師、森山勇二容疑者(42)です。
警察によりますと、去年9月ごろ愛知県内の施設で女子児童の下着を盗撮し、SNSのグループで共有した疑いが持たれています。
学校関係者への取材で、森山容疑者は学校行事などで記録用の写真を撮影する立場だったことが分かりました。
森山容疑者が撮影したものかどうかまだ分かっていませんが、グループには、学校行事の最中に撮影されたとみられる動画が共有されていたといいます。
グループには、10人程度が“匿名”で参加していて、警察はメンバー全員が“教師”だとみています。
また、グループは少なくとも1年前から存在していたといいます。
児童が卒業する際に贈った言葉は…

「面白い系の話を授業が終わったらみんな森山先生のところに行って盛り上がっていた」(森山容疑者の教え子)
小学校ではナンバー3の主幹教諭として、校長や教頭を補佐する立場だったという森山容疑者。
児童が卒業する際にはこんな言葉を贈っていました。
「自分を見つめる目、回りを見渡す目、先を見通す目、3つの目を大切に楽しんでいこう」
インターネットには“盗撮仲間”を募集する投稿

教師同士で盗撮画像を共有し合うという前代未聞の事案。
「教師が集まってというのは、今まで見聞きしたことがなく、すごく大きな衝撃を受けました」(ひいらぎネット 永守すみれ代表)
そう話すのは、ボランティア団体「ひいらぎネット」の代表で、2児の母でもある、永守すみれさんです。
インターネットにあふれる盗撮画像から地域を特定し、警察に通報する活動などをしています。
「例えばこちらは『共同鳥メンバー募集中』と書いてあるが、一緒に盗撮する人を募集する。『鳥』というのが盗撮を表す言葉」(永守代表)
永守さんが見つけた、インターネットで“盗撮仲間”を募集する投稿。
盗撮の「撮」を訓読みすると「トル・トリ」と読めるため、鳥の絵文字で表されているケースがあるといいます。
盗撮した動画が1本100円で販売

さらに、とあるSNSでのやり取りとみると――
「これは『逆さどり』と書いてあって、サンプルが置いてあり売っている」(永守代表)
Q.逆さどりとは?
「スカートの中を下からスマホや靴カメラなどで逆さから撮る」(永守代表)
盗撮した動画が1本100円で販売されており、サンプル動画が載せられていました。
また、床にバッグなどを置き、そのバッグの中にスマートフォンのレンズを上向きに設置して撮影を狙う手口もあるといいます。
「先生が加害者だった場合に、身を守ることは難しい」

今回の事件のように、学校内でも被害にあう可能性のある盗撮。
「すごく悲しいことだが学校の先生が、加害行為をするかもしれないという前提で、私たちはいろいろなことを考えていかなくてはいけない」(永守代表)
子どもたち自身が防ぐ方法はあるのでしょうか――
「学校の先生という立場は子どもたちよりも、ある意味権力がある立場。そういう意味で先生が加害者だった場合に、身を守ることは難しい。特に今回起きていたような学校での着替えの時間というのは、非常に短い、5分ぐらいの休み時間の間に行うものなので、その時に周りにカメラがないか、気を回せというのは、すごく酷な話で、全くもって現実的ではない。学校側がカメラが設置されていないか、定期的に検査をすることが今後必要になるのでは」(永守代表)
そして先ほどから、森山容疑者が勤務していた名古屋市内の小学校では、保護者に向けた説明会が開かれ、多くの保護者が集まっています。
Q.保護者会で何が聞きたい?
「個人のこともあるとので、事実を教えていただければ。子どもたちの心のケアだけはしっかりしていただければ良い」(保護者)
子どもを守る立場の教師の逮捕に波紋が広がっています。