名古屋市の水道料金が1割アップ 4人家族で月236円負担増 資材高騰と老朽化で値上げの波

物価高騰の波は水道料金にも。名古屋市の水道料金が10月から約10%高くなります。
10月に入り、すっかり秋めいてきましたが――。
炊事や洗濯、お風呂にトイレ。日々の暮らしに欠かせない水道もついに…。
名古屋市は10月使用分から、平均で水道料金を10%、下水道使用料を11.5%値上げします。
4人家族のモデル家庭では、1カ月あたりの負担額は263円上がって5720円になるとしています。
市民からは――。
「洗車で水を使うので、値上がりは少し影響があるかな。節水しなきゃいけないかなとは思います」(40代)
「値上げはショックだけどしょうがないかな。結局水道管のお金がかかるので、やむを得ないかなと思っています」(70代)
「意識してこまめに止めるように。いつも節約節約って思っていないと、ついついくせで流しっぱなしにしちゃうので、気を付けようと思っています」(70代)
実は名古屋市では20年以上、水道料金が据え置かれてきました。ただ、節水機器の普及などで料金収入は減少傾向に。
一方で資材費などは高騰が続き、上水道も下水道も赤字経営に陥っているといいます。
資材高騰に老朽化が追い打ち

そして、このタイミングで値上げに踏み切るもう一つの理由が――。
「春日井浄水場では、老朽化した施設を新しくするための工事が行われています」(西尾菜々美アナウンサー)
名古屋市守山区や名東区など市内の約45%の世帯に水を送る春日井浄水場。給水開始から50年以上がたっています。
「老朽化施設を新しくするとともに、耐震化もしている。昭和40~50年代に集中的に整備されていて、膨大な施設になるので、順次更新する必要があります」(名古屋市上下水道局 経営企画課 安達博紀 課長)
待ったなしの老朽設備の更新工事。取材した春日井浄水場の工事でも、2027年度までに約75億円が必要だということです。
名古屋市内では、老朽化した水道の管に穴が開く事例も。配水管に至っては、今後数十年にわたり、1年あたり約100kmずつ交換を続ける必要があります。
今回の値上げについて上下水道局の担当者は――。
「上下水道施設は、施設が一体となって機能するものなので、1つでも壊れてしまうと水道・下水道が供給できない状況になります。市民の皆様に負担を求めることは大変心苦しいが、料金改定についてはやむを得ないと考えている」(安達課長)
水道料金はいくらになる?

名古屋市の水道料金は、実際にいくらぐらい値上がりするのでしょうか。
名古屋市は、10月の使用分から水道料金を平均10%、下水道使用料を平均11.5%値上げします。
4人家族の場合、1カ月当たりの水道使用量は23立方メートルというデータがあります。
これにあてはめると、これまでは税込み5457円でしたが、新料金だと5720円になります。1カ月で263円の負担増になります。
水道料金は基本的に2カ月分がまとめて請求されるので、1回あたりの支払いはこの2倍で、1回あたり1万1440円ほどになる計算です。