ガソリン給油時に「携帯いじり」禁止 さらに給油途中で歩くこともNG 静電気による火災に注意

季節は秋から冬に移り、日に日に寒さが厳しくなってきました。寒くなると空気が乾燥し静電気が気になります。「静電気」で気をつけたいのが、ガソリン給油の時の静電気です。静電気がガソリンに引火して火災が年間30件ほど起きているためです。そこで給油時の静電気による火災の危険性とその対策を取材しました。

中国のガソリンスタンドで起きた車両火災。運転手が車にガソリンを入れようとしたそのとき炎が噴き出し、運転手の近くまで炎が迫ってきました。その後、ガソリンスタンドの従業員が消火器を持って駆けつけ火を消し止めました。
現地の報道によりますと、運転手から出た静電気がガソリンに引火した可能性があるということです。
静電気は気づかないうちに発生するため要注意

給油の際に静電気が原因で起こる火災は毎年発生しています。総務省消防庁によると、ガソリンスタンドといった給油取扱所で発生している火災の件数は毎年30件以上。このうち毎年10件前後は、静電気が原因の火災です。こうした火災の多くは空気が乾燥していて、静電気の発生しやすい冬場に集中しているといいます。

ガソリンの特徴は2つ。1つは揮発性が高いことです。液体から気体に変化しやすい性質を持っています。もう1つは、引火しやすく爆発的に燃焼すること。給油の際、給油口の周りにガソリンの気体が広がり、そこに静電気の火花が出ることで火が急速に燃え広がってしまいます。静電気は気づかないうちに発生しているので要注意です。
運転手の“歩行”で静電気発生→車両火災に

もう1つ、火災の事例を見ていきます。2005年12月、東京都江東区のセルフ式ガソリンスタンドで車両火災が発生。車の運転手が給油をした際に、静電気による火花で、車の一部が燃えました。東京消防庁は、運転手が給油前に静電気除去シートに触れていなかったことが火災の原因の1つだとしています。
さらに東京消防庁は、静電気を溜め込んだ運転手の“歩行”も指摘しています。運転手が給油をする際、給油ノズルからガソリンが出る振動を感じませんでした。そこで運転手は、従業員を探すために給油を複数回停止して、車の周辺を5~6メートル歩いたそうです。
この歩行によって運転手の衣服がこすれて静電気が増加。出火につながったのではないかということです。給油の前には必ず、静電気除去シートに触れましょう。
給油時のNG行為3つ

そして意外とやってしまいそうになる、給油時のNG行為3つ。
1つ目は「手袋をしたまま静電気除去シートに触れる」こと。手袋をしたままだと体に溜まっている静電気を完全に除去できません。2つ目は「給油中の携帯電話の使用」です。消防庁によると、携帯電話の発する静電気によって火が出るおそれがあるので、給油中の操作はやめましょう。3つ目は「ガソリンの継ぎ足し」。吹きこぼれや静電気による引火の可能性があるので注意が必要です。
空気が乾燥する今の季節、静電気には十分注意して安全な給油を心がけてください。





