出勤した保育士のスマホは園が管理 子どもたちを盗撮の被害から守る取り組み 保護者への連絡やSNSで使う写真は共用タブレットで

教員のグループが盗撮画像をSNSのチャットグループで共有していた事件の衝撃が広がっています。子どもたちを盗撮の被害から一体どうやって守るのか、名古屋の保育園での取り組みを取材しました。
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女子児童を盗撮し画像を共有した罪で起訴されている名古屋市の小学校教諭、森山勇二容疑者(42)。盗撮だけでなく女子児童の楽器や帽子に体液をかけた器物損壊の疑いで、けさ送検されました。
森山容疑者が作ったSNSのチャットグループには10人近い教員が参加していて、横浜市の小学校教諭、小瀬村史也容疑者(37)も女子児童にわいせつな行為をしたなどの疑いで、きょう身柄を検察に送られました。
また、別のわいせつ事件で逮捕・起訴され公判中の元教諭、水藤翔太被告(34)は、このグループに盗撮動画を共有した疑いで追送検されています。
逮捕された3人は互いに面識がなく、SNS上のつながりだけだったとみられています。
盗撮画像などは秘匿性の高いイギリス製のアプリ「エレメント」を使ってやり取りしていたということで、警察がグループの残るメンバーの特定を進めています。
2年ほど前に始まった保育園での取り組み
教員による盗撮から一体どのように子どもたちを守ればいいのでしょうか。
名古屋市守山区にある「こどものまち小幡保育園」では、出勤してきた保育士たちが最初にすることは私物のスマートフォンを預けることです。
私物のスマホは園が一括管理。保護者との連絡やSNSにアップする写真の撮影は共用のタブレットを使います。そして一定期間経った写真は削除。この取り組みについて保護者は…
(保護者)
「物理的に(スマホを)預けると盗撮はできないので安心しています」
「難しいところはあると思うが、親としては楽しそうな子どもの写真を(保育園の)SNSで見るのはうれしい」
「園の先生たちはすごく頑張ってくれているので、一部の人のせいで騒ぎになって保育士さんや学校の先生が働きにくくなるのは嫌」
この保育園では、2年ほど前からこうした対策をとっていますが、今回の事件のあと、改めて盗撮の不安を解消するよう、名古屋市から通知を受けたということです。
(こどものまち株式会社 山田清隆 代表)
「自分たちはやっていないけど、そういう目で見られると仕事がやりにくい。先生方を守る意味でも、安心して利用者さんに使ってもらう意味でも大事な対策なのかなと思う」
名古屋市教育委員会も新たなルールを
また、きのう名古屋市教育委員会も、教師が私物のスマートフォンを教室などに持ち込むことを原則禁止にすると発表。
学校の機器で撮影する場合も「あらかじめ子どもに声をかける」「撮影者が特定の教員に偏らないようにする」といったルールも新たに定めたといいます。
教師による盗撮を撲滅し、不安を解消できる取り組みが求められます。