
土煙上げて崩落する瞬間が映像に…宗教施設の本殿が激しく崩れ落ちる 約100年前に建立され老朽化進む


岐阜県笠松町にある宗教施設「御嶽教照王教会本部」で2025年5月3日、本殿の一部が崩落しました。本殿は、数年前から屋根が崩れるなどして近隣住民から危険性が指摘されていましたが、解体は資金難で進んでいませんでした。
■崩落の瞬間を捉える…近所の住民「爆発と地震が来たようだった」
5月3日午後7時15分ごろ、笠松町にある御嶽教照王教会本部の本殿が、土煙を巻き上げながら、激しく崩れ落ちました。 近所の住民は「すごい音がした。爆弾と地震が一緒に来たようだった」と、当時の様子を話しました。

現場は、御嶽教照王教会の木造1階建ての本殿の一部です。名鉄の笠松駅近くで、竹鼻線沿いでしたが、電車の運行に影響はでませんでした。 崩れ落ちた本殿は、およそ100年ほど前に建立されたとみられ、地元では以前から、崩れ落ちるのではないかとの声が上がっていました。

地元の人ら: 「ひどいね」 「通学で子供が通ったりすると危ないと思う」 「4月の中頃にお邪魔した時に、北側が屋根瓦が落ちてしまっていた」
■以前から崩れていたのに…解体せず放置していた理由は
今回崩れた本殿では、2020年の様子を確認してみると、あまり異常は見られません。

しかし2021年には、屋根の一部が崩れ始めているのが分かります。

2023年には大きく崩れ…。

2024年には屋根に穴が開いていました。

長年にわたって放置していた理由について、この施設に住む女性によると、4~5年前から老朽化が進み、解体を検討していたものの、信者の高齢化で満足に活動もできないような状態で資金難が続いていたということです。

今回の崩落で、宗教施設の周りの一部道路が通行禁止となりました。 施設に住む女性は「地域の皆様に迷惑をかけて申し訳ない。速やかに解体に向けて進めていきたい」と話しています。
■「空家法」では“人が住んでいる”場合は対象外に

今回のように、廃屋のようになってしまった建物の対策について調べました。 空き家の場合は「空家法」がありますが、「放置すれば倒壊も」「著しく衛生上有害」などで近隣への影響を及ぼし、早急な対策が必要な場合は『特定空家』とされます。 この場合、様々な手続きを踏まえた上、最終的に「行政代執行」で解体することもあります。 しかし人が住んでいる場合は、空き家でないので対象外となり、住んでいる人自身で対応するのが原則となります。