森繁和×辻発彦が明かす＜落合博満＞の意外な一面 苦手だった投手は...？
落合博満監督のもとで中日ドラゴンズの指導者を歴任した森繁和と辻発彦が、落合との出会いから人となり、その偉大さをじっくり語り合う！
現役時代、落合にカモにされていた松沼博久
辻が落合と初めて会ったのは、社会人野球「日本通運」1年目の18歳の時。都市対抗野球に出場する日通に落合が補強選手として加わり、一緒に戦った。森が落合と初めて会ったのは、アマチュア野球世界選手権の全日本チームで一緒になった時。落合があまりに“すごい人”だっただけに、2人とも当時はろくに話もできなかったと言う。
西武に入った森と辻は、ロッテにいた落合と対峙するように。「現役時代はよく打たれましたけどね。兄やん（松沼博久）なんかカモにされてましたもん」と辻。森も「落合さんとも話したことがあるんだけど、（落合にとって）兄やんはホームランを狙うピッチャー、俺は打率を稼ぐピッチャーだった」と、落合が西武の投手をどう見ていたかを明かす。辻いわく、落合は「郭泰源を嫌がっていた」とのこと。
アンダースローの松沼兄の甘い球が来た時、すくい上げてスタンドまで持って行くのが、落合の得意なホームランのパターンだったそう。「計ったように（川崎球場の）高いフェンスの右中間に打つんですよ」と、落合の豪快なホームランを思い返す辻。
森は「『繁（森）の場合はシュートかスライダーを狙ってヒットを打つ』と言っていた。俺、ホームランを打たれた記憶はなかったけど、調べたらあったの。落合さんも『お前からは打ってない』って言うんだけど、川崎球場のライトにホームランがあった。覚えてないんだから、大した時に打たれてないんだよ」と貴重なエピソードを。どうやら落合と森は、腹を割って話す仲だったようだ。
現役時代3度も三冠王に輝いた落合について、「とんでもないよ」と改めて感嘆する森。辻も「いや～すごいですね。まずホームラン打てないと」と同意。「みんなホームラン打てなくて困ってるんだから。打点と打率はなんとか稼げるかもしれないけど」「ヒット打つのは簡単だったんでしょうね」と、バッターとしての落合のすごさを語り合う場面も。
キャンプは“6勤1休”日本プロ野球界では規格外の練習量
森にとって、落合監督のやり方で印象深いのは、キャンプでの“6勤1休”のスケジュール。“4勤1休”が常識の日本プロ野球界では規格外の練習量であり、森と辻も、その発想に驚いたそう。「落合さんから6勤1休って言葉が出てきた。俺も初めての言葉だった。本当に月曜しか休まなかった」と森が言えば、「妥協がないですよね」と辻。
2人はコーチ時代も、落合監督の厳しさを実感していた。「荒木（雅博）とか井端（弘和）がノックを受けてて、見てると疲れるから、俺、離れたもん。俺がやられたらどうしようと思って（笑）。キツイことやって時間もかかったけど、ああいうのをやってたから、今の練習がすごく楽に見える」（森）。落合流の猛練習で得たものは多かったと語る。辻も「慣れですよね。今こういうの必要じゃないですか、弱いチームは」と、強くなるための練習の必要性を説いた。
西武での現役時代、広岡達朗、森祇晶両監督に鍛えられた2人は、今の選手たちの姿勢にギャップを感じているようで…。「俺が選手の頃はキツかったけど、あれをやってたからできたのかなと思う。今の若い子たちにそれを言ったら、かなりブツブツ言われるだろうな。マスコミにも叩かれるでしょ（笑）」（森）。辻も「『どのぐらいバッティング打てばいいですか？』とか、ノックしてる時に『ちょっと水飲みます』とかマイペース」と苦笑いする。
グラウンドで1人でも選手が練習していれば、一緒に付き合うのが監督・コーチの仕事だが、「忘れて帰っちゃう人もいたけどね…落合さんだよ」笑う森。辻も「秋季練習の紅白戦で負けたチームのピッチャーが何十周と走って、日も沈んで真っ暗になって寒くなっても、このぐらいでいいよっていうのがまったくなかった。みんなすごかった。それが当たり前だった」と、落合監督時代の練習を振り返る。
優勝旅行で大はしゃぎ！「いつもの落合監督じゃなかった」
ここで、ドラゴンズの優勝旅行（2010年）の話に。「そりゃあ、顔にペインティングでしょ、2人で（笑）」と辻。パーティーで、落合と森が顔に虎のペインティングをして大はしゃぎしていたエピソードを明かす。「監督がやるなら俺もやらなきゃしょうがないでしょ。あの時、監督もよく引き受けたよな」と森。「無礼講がすごかったですよね。いつもの落合監督じゃなかった」と、辻も驚いたそう。
苦しい日々を乗り越えて栄冠に輝き、緊張から解き放たれた選手たちを和ませた落合の気遣いが伺える。
さまざまな記録を作ってきた落合だが、ちょっと変わった記録の持ち主でもある。退場処分を受けた回数が選手、監督時代を含めて8回もあり、これは歴代3位の記録だという。2人も、判定に納得がいかず審判に抗議した末、退場させられる落合監督の様子は印象深かったようで、「いつも言ってましたよね。『繁、ちょっと行ってくる。退場してくるから』って（笑）」と辻。森は「審判の所に行ったきり、5分で退場。『俺行ってくるからな』って言われて『また行くの？』と思ってた（笑）」と本音を吐露し、“大将”の行動に困惑した思いを明かす。2人は無鉄砲に飛び出しているわけではない落合を温かく見守っていた!？
偉大な野球人であり、茶目っ気もある落合博満の魅力的な人間性が浮き彫りに。落合とともに戦い、よく知る2人だからこその興味深いトークとなった。
チャンネル名： TVA スポーツ CH
チャンネル URL：
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配信内容：中日ドラゴンズを中心に、愛知県のプロ＆アマチュアスポーツ情報を配信。バンテリンドームナゴヤでの試合をテレビ愛知が中継する日は、ドラゴンズの試合前練習をライブ配信予定。
配信日時：不定期
