森繁和×辻発彦が選ぶ"プロ野球歴代ベストナイン"2人が絶賛する"偉大すぎる名選手"
球界の表と裏を知り尽くす森繁和と辻発彦が、時代を超えた「プロ野球ベストナイン」を選出! 選考対象となるのは、それぞれの入団時に在籍していた選手から現在の現役選手まで。
ベストナインに入るべき名選手として、2人からは真っ先に、阪急で活躍した福本豊の名前が挙がる。さらに辻がイチローを挙げると、森は「俺はイチローとやってない。コーチの時だから」とコメント。早々に盛り上がる2人だが、悩んだ末に選んだ「ベストナイン」がこちら!
キャッチャー
2人は「古田かな…」と、開口一番、古田敦也の名を口にする。森は「思い浮かんだのは、古田か伊東(勤)か谷繁(元信)。年下ばっかりで…キャッチャーっていないんだよな。今のキャッチャーだったら、余計いない。辻が古田を選ぶなら、俺は谷繁にしないといけないのかなぁ。谷繁は2000本安打打ったもんな! まあお世話になったし(笑)、ピッチャーの面倒を見てくれた谷繁さんで」と森。ドラゴンズで共に戦い、縁の深い谷繁を選んだ。
さらに2人は考えながら、梨田昌孝、ドカベンこと香川伸行、有田修三といった自身の現役時代で記憶に残るキャッチャーを挙げる。辻が「中沢伸二さんとか…田村藤夫もいいキャッチャーでしたね」と言うと、森もうなずき「昨日電話あったよ(笑)」と、ドラゴンズのコーチを務めた田村との交流を明かす場面も。
DH
森は「どうしても昔の選手になっちゃう。俺、ブーマー(・ウェルズ)って言おうとした。必ずブーマーのところから投げさせられてたから…。‘84年に三冠王獲ってるし、ブーマーでいこう!」と、現役時代によくブーマーの打席で登板していた時の思い出を振り返る。「うわぁ~選手を取られたみたいな気分(笑)」と、辻も思わず監督の心境になって残念そう!? 悩んだ末に、辻は「やっぱりカブレラじゃない?」と心を決める。
ファースト・サード
続いては内野手。辻は「ここが問題なんですよ~」と頭を悩ませる事態に。「王(貞治)さんと長嶋(茂雄)さんは、俺たち一緒にやってないから…」と森が言うと、「一緒にプレーした選手ということであれば、落合さんもです」と辻。ここで、2人にとって重要人物である落合博満の名が挙がる。
「落合さんは、サードなのかセカンドなのかファーストなのか…」と森。「落合さんはファーストに入れて…でも、清原(和博)も入れたいしなぁ。落合さんをサードにして、ファーストは清原!」と、辻はすっかり監督の表情に。
一方の森は「ファーストは、タイロン・ウッズ」とひらめいたように決めて、「ウッズを入れちゃったから、落合さんはサード…でもセカンドの方が多かったかな?」と、今度は落合のポジションの話題に。2人は、ロッテ時代の落合について語り始める。
セカンド
セカンドの選出となると、自身のポジションということもあり、さらに悩む辻。「セカンドは、どんぐりの背比べですよ。白井(一幸)、大石大二郎…」と、パリーグの選手を挙げる。「セリーグは誰がいた?」と尋ねる森に「篠塚(和典)さん…(ロバート・)ローズ」と返す辻。セカンドの名手と言えば、辻も間違いなくその一人だが、「俺の名前は入れたくない」と笑う。
「井口(資仁)、仁志(敏久)…守備は上手さが違うからね。物差しが違うから。菊池(涼介)なんかすごいと思う」と、それぞれに良さがあると語る辻。すると森は、「俺も菊池だな。一番良い時を見てるから」と、ドラゴンズの相手チームの選手として見ていた頃の菊池を思い出した様子。辻は「ゴールデングラブ賞も一番獲ってるし。でも、品種が違うんですよ、僕らと(笑)」と、セカンドとしての資質の違いを語り、「菊池と荒木(雅博)はちょっと似ているかもしれない。野性味がある」とも。
どうしてもセカンドへの目が厳しくなってしまう辻は、悩んだ挙げ句、「浅村を入れておこう!」と、西武監督時代、共に戦った浅村栄斗を選ぶ。
ショート
辻は「松井稼頭央」、森は「石毛(宏典)」と、現役時代のチームメートを挙げ、ここはすんなり決定!
外野手
センターに関しては「福本さん!」と、2人の意見が一致する。辻は「ライトはイチロー」と即答し、現役選手にも目を向けて「今すごいのは…万波(中正)。(2024年の)オールスター最多得票数だったっけ…いや、まだまだやな」とコメント。森は「山本浩二さんかな…その世代は入れたくないんだけど、福本さんを入れちゃってるからな」と、偉大な大先輩の名前が浮かんだよう。「福本さんは“世界の福本”ですから。やっぱりすごいでしょ。ホームランも打つし、足も速いし、守備も上手い」(辻)と、2人はとにかく絶賛する。
辻は、レフトにWBCでも活躍した近藤健介を。森は「ライトに松井(秀喜)。レフトは…(鈴木)誠也。一緒に飲んだことあるし、知ってる人にしよう!」と笑顔に。
先発・中継ぎ・抑え
専門分野であり、指導者としてたくさんの投手を見てきた森だが、「先発は郭泰源。教え子の中で誰かとなれば、そうなっちゃう。抑えは岩瀬(仁紀)で」と、割と即決。「抑えは岩瀬でしょう、間違いなく。彼の上に出る人はいない」と辻も太鼓判を押す。
“岩瀬を選んだら、中継ぎはこの人しかいない”とばかりに「浅尾(拓也)で」と森。辻は「先発はダルビッシュ(有)だな。中継ぎは…やっぱり西武だからなぁ。潮崎(哲也)かな」とすんなり決定。
ベストナインを選び終えた2人は、「やっぱり、俺たちの中では福本さんが出てきちゃうんだよな」「あの人は違いました。ホームランをどれだけ打ってるかってことですよ」と感想を。福本のすごさをしみじみ語る姿が印象的だった。