ビンテージポルシェが3台も⁉ レースカーやトラクターまで手に入れたオーナーの深すぎる愛に迫る
車好きなら一度は乗ってみたいスポーツカーの代表的存在のポルシェ。
そんなポルシェの原点ともいえるビンテージポルシェに魅了され、さらには世界でも希少なモデルまで入手したオーナーのポルシェライフに密着しました。
●ビンテージポルシェとは?
ビンテージポルシェとは主に1970年代までに製造されたポルシェを差し、現在の代表的なモデルである「911」の前身となった自動車です。ビンテージポルシェの代表的なモデルは1948年に登場した「356」、1957年にモデルチェンジした「356A」、そして1960年には「356B」に継承されます。
エクステリアは、盛り上がった丸目のヘッドライトやルーフからテールまでなめらかなボディラインで、ひとめでポルシェとわかるデザインといえるでしょう。今回の取材車両は1957年式の356Aで、空冷4気筒1600㏄のエンジンを後輪車軸の後ろ側に搭載するポルシェ伝統のRRレイアウトを採用しています。
ポルシェ356Aをレストア
今回の秘密基地の主は、ビンテージポルシェ歴18年を誇る石田さん。内装はボディカラーと同じ赤で統一され、当時のポルシェの特徴でもある三連メーターが並びます。
石田さんが356Aを購入したのは1年ほど前。入手当時はオリジナルではないパーツに換装され、ダッシュボードにもステッカーが多く貼られている状態でした。そこでオリジナルの状態に近づけるべく、レストアに取り組みます。
少しづつ手を掛けることで、車にとっても石田さんにとってもベストな状態に復元しました。
●走行後はメンテナンス
朝は快調なポルシェ356Aも昼頃になると不調になることもしばしば。そんなときは安全な場所に駐車して、愛車を休ませてあげます。主にエンジンフードをあけて30分ほど冷却すれば、調子もよくなることがほとんどです。
また、ポルシェ356Aでもっとも大切な時間は、走行後に行うメンテナンスで石田さんはその日の走行状態や状況に併せて取り組みます。
とくにオイル関連は各部位が温まってくると、漏れやにじみなどの発見がしやすくなるので、下回りを丁寧にチェックします。
そして、コンディション維持のために少しでも時間があれば運転するのが石田流です。最後は必ずボディを綺麗に拭き上げて、ポルシェ356Aとのスキンシップを行います。
●公認レプリカ、トラクターも所有
子供のころから車が大好きな石田さんとポルシェとの初めての出会いは、幼少期の頃に買ってもらったポルシェ924のチョロQでした。
ポルシェの魅力にハマってしまった石田さんは、レース用のポルシェ公認レプリカであるポルシェ「GP718 RS60 スパイダー」も所有しています。
GP718 RS60 スパイダーは世界で200台しかなく、日本では石田さんの車両が唯一公道走行可能なモデルです。
ベースがレース用車両ということもあって、GP718 RS60のとてもシンプルな造りでフロントウインドウやサイドウインドウは最小限の面積しかないため乗車の際の対策は必須です。
この日も石田さんはシールド付きのヘルメットでドライブに出かけます。さらにポルシェ好きな石田さんは、究極のビンテージポルシェを入手しました。
それがポルシェが作ったディーゼルトラクター、Standard Star 219(1960年式)。学生時代に海外で一目見てから探し続け、20年越しでようやく購入に至った憧れの車両です。
ポルシェのトラクターは世界を見渡しても現存する個体が少ないことから、ポルシェ好きの仲間が見学にやってくるほどです。
もちろん、トラクターといえども乗ってなんぼのポリシーを貫く石田さんは、私有地で試乗を行います。とにかくポルシェ愛が深い石田さんは、完全に生活の一部として送っているようです。