廃道の先に眠る岐阜の名勝「乙姫滝」へ 「こんなに大変なんだ…」 かつては観光名所だった滝につながる遊歩道を探索!『道との遭遇』
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、全国100万キロ以上の道を巡ってきた道マニア歴26年の鹿取茂雄さんが、岐阜県の廃遊歩道を探索します。※廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。
本巣市唯一の名勝「乙姫滝」への廃遊歩道
鹿取さんと一緒に旅をするのは、鹿取さんが2001年に作った日本全国の道や廃墟などを巡る団体「TEAM酷道」のメンバー2人。訪れたのは、岐阜県本巣市(もとすし)。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「本巣市の1か所しかない名勝の乙姫滝(おとひめだき)に行きたい。何十年も前に滝に行く遊歩道があったが、その道が今は通れない状況になっている」
かつては観光名所だった「乙姫滝」。本巣市唯一の名勝に指定され、「昔は岐阜県のガイドブックに載っていた。乙姫滝伝説というのがあって、それに惹かれた」と鹿取さんは言います。
乙姫滝に続く遊歩道がありましたが、現在は廃道化。鹿取さんも初めて行く未知の場所に、果たして辿り着くことができるのか…?3人は、国道157号の旧道沿いにあるかつての遊歩道を目指します。
遊歩道につながる階段を降りると、荒れた山道へと様変わり。道なき道を進むと、川沿いに朽ちた謎の建物を発見!宿泊施設と思われる古びた複数の建物が、数十年の時の流れを感じさせます。
道が見当たらないため、水路の横のスペースを歩いて先へ進むことに。しばらく歩き進むと古びた階段があるものの、その先は直進するのが困難なほど道が崩れています。
ロープを使いながら急斜面に何度もチャレンジしましたが、3人はいったん中断。上を走る車道までのぼって、別のアプローチで乙姫滝を目指します。
ついに辿り着いた「乙姫滝」 鹿取さんが惹かれた乙姫滝伝説とは
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「地元の人なら、違うルートを知っているかもしれない」
3人は情報を求め、一帯の土地を所有する方にお話を伺うことに。すると、土地の所有者のご先祖が約40年前まで川沿いでキャンプ場を経営していたことが判明。3人が見た謎の建物は、そのときのものだそう。しかし、次第に客足が遠のき、造った乙姫滝への遊歩道は今の状態になったと言います。
また、鹿取さんが惹かれたという伝説についても、詳しく聞くことができました。
【乙姫滝伝説】
落武者の一族が滝のそばにあった洞窟に住みつき、その後、娘が誕生。ところがある日突然、娘は姿を消してしまいました。深い悲しみの中、両親は滝に向かって拝み続けました。しばらくすると、滝に一匹の白うなぎが姿を現します。これを見た両親は、「娘はこの白うなぎに生まれ変わり水神様の使いになったのだ」と思い、滝と白うなぎを崇めるようになりました。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「雨を降らしてくだされと言ったら、白うなぎが滝壺から上っていって雨が降った、というのが乙姫滝の伝説」
そんな伝説が残る乙姫滝をどうしても見たい!と強く思った鹿取さん一行は、違うルートでリベンジすることに。
日没が迫る中、滝の下流を目指す3人。急斜面を滑り降り、川に浸かりながら、ついに乙姫滝を発見!探索を始めてから7時間で、ようやくたどり着くことができました。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「本巣市唯一の名勝へ行くのに、こんな大変なんだ」
乙姫滝は8mほどの落差があり、幽閉的な雰囲気が落武者の隠れ家にピッタリだと感じさせます。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「苦労しないと行けない名勝って。道がなくなるとこれだけ大変。道のありがたさを実感した」
2024年11月26日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より