「バロー」の惣菜工場「中部フーズ」に潜入!おにぎりがふっくら仕上がる【驚きのマシン】

今回は、東海最大級の巨大惣菜工場に密着。工場に潜入すると、そこはまるで食のテーマパーク! 惣菜をおいしく作るための驚きの光景が広がっていた――。

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圧巻のハイスピード!ローラーが大活躍する「だし巻き玉子」

  • 中部フーズ 本社工場

岐阜・多治見市にある「中部フーズ 本社工場」は、「スーパーマーケットバロー」249店舗分の惣菜作りを担う、巨大な惣菜工場だ。

まずは、惣菜の王道「だし巻き玉子」を作る工程から見ていこう。
マシンに「液卵」を投入すると熱々の鉄板の上に広がり、人の手で薄く伸ばしながら焼いていく。

100℃以上の熱で約1分加熱すると、マシンのローラーが迫り、くるくるとたまごが巻かれていく。回転するローラーの絶妙な力加減とスピードが、たまごを美しく巻く秘密だ。

たまごを巻いたら、すぐさま次の液卵を流し込む…焼いては巻き、焼いては巻きを繰り返し、出来上がっただし巻き玉子は見事な出来栄え! この工場では、1時間で300個のだし巻き玉子を製造している。

一方、おにぎり専門店「にぎりたて」で販売する「だし巻き玉子」はより厚みを持たせるため、全て手作業で作っている。
使用するのは専用の玉子焼き機。焼く場所が2カ所あり、そこへ一気に液卵を流し込む。
多い時で1日に300本も作るため、強火で約2分加熱。人が箸でかき混ぜて作る。適度に混ぜることでたまごが空気を含み、ふんわりした分厚いだし巻き玉子になるのだ。

2つの玉子焼き機をパタンと閉じてしばらくすると、水分が蒸発。たまごに小さな気泡ができ、徐々に膨らんでいく。これがふんわり食感の秘密だ。
この焼き加減の見極めが至難の業で、「なるべく焦がさないように、見た目もきれいじゃないといけない。焼きすぎるとかたい玉子焼きになる。カチカチの玉子焼きはおいしくないので、見極めながら」(田原知世子さん)。

  • おにぎり専門店「にぎりたて」で販売する「だし巻き玉子」

職人さんが作っただし巻き玉子は、絶妙な焼き加減! 見ているだけでお腹が鳴りそうだ。

1日4万個を握る「おにぎりマシン」の神業

大量の「福井県産コシヒカリ無洗米」を使って作るのは、みんなが大好きな「おにぎり」。
最近のスーパーのおにぎりはふっくらしていて本当においしいが、この工場には、“ふっくら”を生み出す驚きのからくりがある。

  • “混ぜて慣らす”の工程を、マシンが再現

こちらの容器1つでおにぎり約150個分のコメを炊くことができるが、水が入った容器の中では青いヘラがくるくると回り、さらに逆回転している――。コメをおいしく炊き上げるために必要な“混ぜて慣らす”の工程を、マシンが再現しているのだ。
青いヘラで混ぜることで炊き上げたときの焦げ付きを防ぎ、表面を平らに慣らすことで炊きムラのないご飯に。

フタをした容器は全長16メートルの巨大な窯に入り、段階的に火力を変化させながら炊き上げる。最後は蒸らすことで、昔ながらの「かまど焼き」を再現。芯までふっくらとしたご飯に仕上がるのだ。

1時間後、おにぎり約1万5000個分のご飯が炊き上がった。粒がピンと立っていておいしそうだ。

熱々のご飯は次のマシンへ。炊き上がったご飯を素早くほぐすことで、余分な水分を飛ばしながらコメの崩れを防ぐことができる。

次のマシンがご飯を平らな形にし、真ん中をへこませたら、今度は人の手で具材を乗せる。この後、手作りのおにぎりを再現するための最大の秘密が!

なんと、おにぎりが通る道幅が狭くなり、具材を包み込んで出てきた。この狭まっていく道が、おにぎりを握る人の手の代わり。徐々に道幅を狭くすることで、ご飯をつぶさずに優しく包み込み、ふんわり食感を生み出している。

具材を包んだおにぎりは、三角形の型へ。3段階に分けて少しずつ成形することで、やわらかい食感に。見事、角の立ったきれいな三角形になった。

最後は、マシンがおにぎりを一回転させ、両面に塩を振りかける。数年前までは炊き上げたご飯に塩水を混ぜていたが、手作りに近いおいしさを求めて、このマシンを導入した。

パリパリの海苔をセットしたフィルムで包んだら完成! この工場では、1日に約4万個のおにぎりを作り、各店舗へ送り出している。

「最高金賞」受賞!ムネ肉の常識を覆した情熱の「唐揚げ」

1985年、「バロー」向けの惣菜工場として設立された「中部フーズ」。
当時は豆腐やこんにゃくを作っていたが、次第にご飯ものや揚げものなど種類を増やし、現在は300種類以上の惣菜を作っている。

そんな「中部フーズ」のモットーは、創造・先取り・挑戦。
この日、社内で行われていたのは新商品の試食会。月に2回、開発担当者が20種類以上の商品を持ち寄り、改善点を話し合う。厳しいディスカッションが行われるこの試食会では、毎月30種類以上の新商品が誕生している。

そんな中で生まれたのが、1日約3万個を販売する「唐揚げ」だ。
2025年、日本一おいしいからあげを決める「からあげグランプリ®」中日本スーパー総菜部門で、最高金賞を受賞した。

  • 商品開発部の神村啓太さん

担当した商品開発部の神村啓太さんは「大分・中津市に行き、本場の唐揚げを食べ歩いた。ムネ肉の唐揚げがとてもおいしかったので、中部地方の方にもお届けしたいと思った」と話す。
唐揚げの定番はモモ肉だが、お肉のおいしさをより味わえると感じた神村さんは、ムネ肉の使用を決断。しかしムネ肉には、“パサパサしやすい”という欠点が。

唐揚げ用の肉の加工を行う「タケムラ商事 本社工場」(岐阜市)を取材すると、切り方に秘密が隠されていた。まずはムネ肉を2つに切り、その後は包丁を斜めに入れて切っている。
「唐揚げのカットに関しては、そぎ切りという方法を使っている。面に対して水平に削ぐように切る方法」(「タケムラ商事」岩見良雄さん)。包丁を斜めに入れて繊維を断ち切るように切ることで、ムネ肉のパサパサ感を抑えることができるのだ。

そぎ切りは手作業で行うため、多くの量を作るスーパーの惣菜には向いていなかったが、「タケムラ商事」は神村さんの熱い思いに動かされ、加工を引き受けることに。
こうして生まれた唐揚げは、見事人気商品へと上り詰めた。

「(商品開発が)自己満足になっていないかを自分に問いかける。お客さんに喜んでもらえる商品を開発する。常に自分だけでなく、みんなで味を作り上げる」(神村さん)。

妥協せず、常においしさの先を目指す「中部フーズ」。その飽くなき挑戦心こそが、「バロー」の惣菜が愛され続ける理由なのだ。