震度5強が7クラスに増幅!? 高層ビルに潜む危険『チャント!特集』

地震がビルを襲った時、ビルの低層階と高層階の影響は大きく違います。室内ではどのような被害がでるのでしょうか。兵庫県三木市の振動実験施設「Eディフェンス」で行われた最新の実験を取材しました。

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阪神淡路大震災を機に開発された巨大な実験施設


Eディフェンスは、縦15メートル、横20メートルの巨大な振動台で、あらゆる地震の揺れを再現できる世界最大規模の振動実験施設です。1995年の阪神淡路大震災を機に開発され、「建物はどのように壊れるのか」「どうしたら壊れない建物になるのか」を研究。実物大の建物に震度7等の激しい揺れを加え、「耐震化のカギ」を解き明かすための実験が繰り返されてきました。


2022年1月の最新の実験では、地震の揺れを再現する装置を使い、低層階と高層階で室内の被害状況がどのように違うのか検証しました。高さ41メートルになるビルの10階部分と、1階部分では、被害はどのくらい違うのでしょうか?実験で加える揺れは、「震度5強」と比較的弱いものですが、震度5強は、6や7に比べ、格段に発生回数が多い揺れです。2021年10月には東京、2022年1月には大分・宮崎と、各地で発生が相次いでいます。震度5強での実験で影響を検証することは、防災上極めて重要です。

低層階と高層階 揺れの違いを検証


まずは1階部分を検証。加振が始まると、室内では小刻みな揺れが起こります。取り付けられたライトは大きく揺れ、棚の上に置いてあった陶器が落ちましたが、食器棚そのものが倒れたり、テレビが倒れたりする被害は起きませんでした。


次は高層階(10階)を想定した揺れを加えます。ゆっくりと揺れ始めますが、徐々に横揺れが強くなっていくのが分かります。本震の揺れが始まると、戸棚の食器はほとんどが落下して粉々に。重い電子レンジも落下、書斎の本棚も倒れ、人形が下敷きになりました。かなり深刻な被害につながることが分かります。

地表では震度5強でも、高層階では揺れが増幅


実は、10階想定の実験で加えた揺れは「震度7」相当。地表で震度5強でも、高層階では建物自体がしなり、揺れを増幅します。10階では震度7程度になる場合もあることが、計算上分かっています。

「10階想定での被害は、非常に大きかったです。書斎に人形を置きましたが、ふいに地震が襲ってくると、逃げる間もなく書籍が倒れてきました。実際にあの場所にいたなら、何らかの形で被害が出ていたでしょう。最悪の場合は亡くなっていたと思います」 防災科学技術研究所 佐藤栄児主任研究員

高層化に伴い対策が必要に


都市部でマンションに暮らす人は年々増え続け、オフィスも高層化しています。震度6や7の巨大地震ではなくても、都市生活者にとっては大きな脅威となります。今まで以上に、家具の固定や耐震化など、居住スペースを安全にする対策が求められています。

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『チャント!』は、CBCテレビで毎週月〜金曜日の夕方15:49 - 19:00に放送されている東海3県向けの夕方ワイドニュース・情報番組です。

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