コレクション総数は何と3万点!!唯一無二のプラモの製作に挑む『飛行機プラモデル』(後編)「おとなの秘密基地」
車やプラモデル、カメラなど、趣味の世界を楽しむ大人たちに密着してその魅力を調査する『極上ライフ おとなの秘密基地』。2016年~2018年までテレビ愛知で放送され、現在はLocipoでアーカイブを見ることができる。根強い人気を受け、新たに配信用オリジナル企画の制作も進められている。
今回の秘密基地の主は、『飛行機プラモデル』に見せられた趣味歴50年以上のプラモデラー。1万5000点ものコレクションが集う秘密基地でベテランのプラモデラーが挑む唯一無二のプラモデル製作に密着する。
前編はこちら
図面からパーツを手作り!マニアたちをも唸らせる中村さんの『飛燕II型』1/32スケール
岐阜県各務原市で暮らす中村喜久男さんが着手したのは幻の戦闘機こと『飛燕II型』1/32スケールのプラモデル作り。まずは胴体に組み込まれる操縦席作りからスタートした。
元々プラモデルの部品にいろんなものを追加していくのが中村さん流。足のフットバーのベルトやメーターなども中村さんの手作りだ。さらにはこんな部品も手作り。
この部品はシートベルト。釣りなどで使う板鉛で形を作り彩色を施したモノだ。自然にたるんだ形に見せるために中村さんは細かな細工を施していく。目立たない操縦席部分にも中村さんのこだわりが詰め込まれている。
続いて製作に取りかかったのは胴体部分。市販されている『飛燕II型』1/48スケールの図面を拡大コピーし、I型の胴体とすり合わせる。比べてみるとかなり違いがあることが判明。垂直尾翼は大きくなり、エンジンが載る先端部分もかなり伸びている。
「やっぱり相当違いますね」と話す中村さん。すると、I型の胴体をバッサリと切ってしまった
どうやら『II型』の図面にぴったりだった中央部分のみを切り出して使うらしい。先端部分を作るために持ってきたのは、なんとガスコンロ。図面に合わせて削り上げた木材にガスコンロで熱して柔らかくしたプラスチックを押し当てて、足りないパーツを作っていく。
大変難易度が高い作業と言うこともあり、何度も失敗する中村さん。思い通りの形になるまで何度も挑戦し、ようやくできた満足のいくパーツを紙やすりで削って微調整する。苦労の末、きれい収まるピッタリサイズのパーツが出来上がった。
垂直尾翼も大きくして、胴体の形が徐々に見えてきた。しかし、作業はまだまだこれから。まだ2週間以上は取り組まなければならない。仲間でありライバルでもあるサークル仲間たちををもっともっと驚かせたるため、中村さんの製作は続けられる。2週間後に行われていたのが、塗装作業。境目が見えないようにパテとコンパウンドで修正した機体に、往時のとおりの色を塗っていく。発色を良くするために、最初は黒で下塗り。そして機体の色合いを出すために濃淡異なるシルバーで塗装する。
さらには、ビスなどの跡をくっきりと目立たせるために『墨入れ』も行っていく、この『墨入れ』もまた、立体感を生み出すための大切な作業だ。
唯一無二の『飛燕II型』にサークル仲間たちも驚き!!
制作期間およそ1ヶ月、地元各務原で開発された幻の戦闘機『飛燕II型』のこの世に二つとない1/32スケールがここに完成した。
プラモデルサークルの例会日に新作をお披露目。
「昔の日本機らしくツヤを落としてやりました」と話す中村さん。継ぎ目が分からない見事な仕上がりにサークル仲間のマニアたちも感嘆しきりだ。
中村さんもその出来栄えに納得の様子。仲間たちからの驚きの声が何より嬉しそうだ。
次はどう仲間を驚かせようか、中村さんの頭の中はプラモデルのことでいっぱいである。
『極上ライフ おとなの秘密基地』
【放送局】テレビ愛知 2016〜2018年放送(現在はLocipoでアーカイブを視聴可能)
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/himitsukichi/
【You Tube】https://youtu.be/iaojHzXBPnI