
全国初 馬籠宿の郵便局で土日祝日も営業 観光客の決済事情も踏まえ 岐阜・中津川市の馬籠郵便局

岐阜県中津川市の馬籠(まごめ)郵便局は6月から、観光シーズンに限り全国で初めて土日祝日の営業を試験的に開始しました。
その一方で、平日の営業を午前9時から12時までの3時間営業とし、来客数に応じて営業時間を変更して業務の効率化を図るといいます。
馬籠郵便局は、旧中山道の宿場「馬籠宿」の中心にあり、周辺には江戸時代の街道の面影が残る石畳の街路が走り、そばや五平餅などを提供する食事処や土産物店が軒を連ねています。

ここ数年、馬籠宿を訪れる国内外の観光客は増加しており、2024年度には約66万人(中津川市観光局調べ)が訪れたといいます。
外国人観光客の間では、日本への旅行に関連したサイトやガイドブックなどで馬籠宿の認知度は高まっていて、現地で「馬籠館」を営む関係者によりますと、観光客のうち外国人客は6、7割を占めているといいます。
外国人客は、中国、台湾といったアジア諸国から訪れる日帰りツアー客のほか、かつての日本の街道旅を宿泊を兼ねて体験したいという欧米からの観光客までさまざまということです。
日本人客は土日祝に訪れる場合が多く、レトロな街並みや木曽地域ならではの料理を求めてやってくるそうです。

馬籠郵便局の郵便窓口が平日に加え、土日祝日の午前10時から午後4時まで営業することで、記念ハガキや切手類、和風テイストの郵便商品を窓口で販売する機会が広がりました。
一方、馬籠宿を訪れた外国人観光客にとって、最も困惑する場面は現金が必要となる場合だと馬籠館の関係者は指摘します。
現在馬籠宿内にはコンビニはなく、金融機関も郵便局の他にはありません。外国人客が硬貨を必要としたときに対応できていない場合も多かったといいます。
そこで、馬籠郵便局では6月から土日祝日の営業日拡大と同時にATMの営業時間も拡大し、土日祝日は午前9時から午後5時までの営業となりました。
6月からの営業日時の変更に伴い、馬籠郵便局の人員配置も変わり、平日の午後に働いていた局員は土日祝日の勤務に配置されることになります。
日本郵便東海支社の担当者は、今回の営業時間変更について「現地の活性化につながると、近隣住民や商店関係者から歓迎の声をいただいている」と話しています。