
「社長車を実験に活用、社長は電車通勤」デンソーミュージアムがオープン 狙いは新たな「仲間」獲得

トヨタグループの大手部品メーカー「デンソー」が、自社の製品を開発秘話とともに紹介する施設をオープンしました。狙いは、新たな「仲間」の獲得です。
音声展示:
「たった3坪の作業部屋がデンソーの始まりだった」
愛知県刈谷市にあるデンソー本社のワンフロアに6月16日、展示施設「デンソーミュージアム」がオープンしました。自動車の部品はもちろん、一時は売り上げ台数が日本一となったというドラム式の洗濯機や、海水浴などを想定した「車載用シャワー」、農業分野のロボットなど、約250点が展示されています。

さらに、製品展示にとどまらないある仕掛けもあります。
岡田愛マリーアナウンサー:
「今や当たり前となった車のエアコン。約60年前のものなんですが、隣には当時の開発秘話も一緒に展示されています。『当初は実験車が足りず、社長の車まで実験に活用。社長が電車通勤を余儀なくされた』とあります。会社で一丸となって作った熱い思いが伝わりますね」
「エピソードを添えて展示した狙いはなんですか」
デンソー 広報渉外部 田中淳担当課長:
「社会課題が複雑化・高度化する中で、デンソーも車部品だけではなく車以外の業種と協業していく。そのときに仲間が必要。デンソーの文化や大切にしてきたことを伝えることで共感してもらい、仲間ができると考えた。その象徴としてエピソードを紹介している」

いま働いている従業員に向けた仕掛けもあります。デンソーの「世界初」を集めたパネルには仕掛けがあります。
岡田アナウンサー:
「ずらっと並んでいますけど、2020年以降何もないし、白い空白の部分もある。これはいったいなぜですか」
田中担当課長:
「あえて空白にしている。新入社員が来たときに、これだけ世界初の技術があるが、次を作るのはあなたたちだということを伝えるために、あえて空白にしている」
岡田アナウンサー:
「粋な演出。新入社員も頑張ろうという気持ちになりますね」
田中担当課長:
「なってほしいと思います」
デンソーミュージアムは誰でも入ることができて、入場料無料です。