
旧統一教会に“解散命令”…元信者の弁護士「ホッとすると共に感慨深い」現役信者は「迫害多いほど信仰は盛り上がる」


旧統一教会を巡り、東京地裁は2025年3月25日午後、解散命令を認める決定を出しました。東海地方の元信者や現役信者に今の気持ちを聞きました。
■元信者の弁護士は「感慨深い」
高額な献金や霊感商法などが問題視されていた旧統一教会について、文部科学省が2023年に請求していた解散命令を、東京地裁は2025年3月25日午後3時、認める決定を出しました。 「民法上の不法行為」を理由として、裁判所が宗教法人の解散を命じたのは初めてです。

長年、元信者や家族の支援に取り組んできた岐阜市の神谷慎一弁護士(54)に話を聞きました。 Q.解散を命じる決定が認められました 神谷慎一弁護士: 「そうですか。本当にホッとするとともに感慨深いですね。本当に感慨深いというか、ここまで来たなと。(解散命令が)出ると思っていても、実際に聞くまでは緊張感があるというか…感慨深いです」

神谷弁護士自身も、大学生の時に訪問アンケートをきっかけに旧統一教会に入信し、その後、家族の支えがあって脱会していました。 神谷弁護士: 「一審とはいえ、旧統一教会が宗教法人として違法行為を継続して行い、それが『公の秩序を著しく害するものだ』と認定されたことになりますので、政府に続いて裁判所がそういう認定をしたことは、非常に重みがあると思います」 この解散命令が「大きな1歩となった」と話す神谷弁護士ですが、この先の動きが大事だと訴えます。 神谷弁護士: 「第一に被害の救済に全力を尽くしたいと思います。こうして政府に続いて裁判所が、著しい違法性がある団体なんだと、そういうことをやっている団体なんだと認定した以上は、被害者救済を加速させるべきです」
■現役信者は「迫害が多いほど信仰は燃え上がる」
知立市に住む現役信者の石原悟さん(75)は、解散命令が明らかになった直後にもチラシを配っていました。

そこには「解散命令請求の陳述書・捏造疑惑」の文字が書かれていました。 現役信者の石原悟さん: 「2009年のコンプライアンス宣言をして以来、激減しているんですよ。1件ですよ、問題が起きたのはね。過去の30~50年前のことを持ち出している。陳述書自体が捏造なんですよ。文科省が作っている」

石原さんは54年間、旧統一教会の信者として活動を続けていて、今回の東京地裁の判断について聞きました。 石原さん: 「国連憲章の中に、宗教の自由・信教の自由。献金とかは宗教問題であって、政府とか政治家が関わるべきものじゃないんですよ」 解散命令に対して、旧統一教会側は抗告する方針を示していて、石原さんも解散請求に反対する活動をより活発化していきたいと話しました。

Q活動に影響は 石原さん: 「全然ない。そんなの覚悟の上だもん、みんな。迫害が多ければ多いほど、信仰は燃え上がるんです」