「困る、全部変えないと」電球はLEDへ 2027年末で蛍光灯製造・輸出入禁止で電気店に工事依頼増加

照明器具から出る白い煙。次の瞬間、突然、火が噴き出しました。製品の安全調査などを行うNITEの実験映像です。
NITEによりますと、蛍光灯からLEDランプに交換する際、こちらの点灯管という器具がついている場合は、取り外しておかないと照明を使っている時に火が出る恐れがあります。また取り付けるLEDランプの種類を間違えても、発火の可能性があります。NITEは必ず照明器具に適合したLEDランプかどうか確認するよう呼びかけています。
2027年末までに蛍光灯の製造と輸出入禁止へ

なぜ今、NITEが注意喚起をしているのかというと…
蛍光灯に使われている水銀が人の健康や地球の環境に悪影響を及ぼす懸念があるとして、「水銀に関する水俣条約の締約国会議」で、一般照明用の蛍光灯の製造と輸出入が2027年末までに禁止されることが決まりました。蛍光灯はいずれ市場から消えLEDランプへの付け替えが必要になります。
このことについて街の人は…
市民は:
「ニュースで聞いたことがある。(家は)ほとんどLEDにかえていて、まだ一部(蛍光灯が)残っているが、球が切れたらかえていこうと思っている」
知っている人がいる一方で…
市民は:
「知らない。電源工事からしないといけないものだと思うので、全部の機器をかえないといけないと思うと大変なので困る」
売り場に並ぶ電球の多くはLED

家電量販店の蛍光灯売り場を取材しました。
エディオン メッツ大曽根店 大田龍牙さん:
「ピーク時に比べると、(蛍光灯は)約8割くらいの売り場面積になっている」
取り扱う蛍光灯の種類が減っていました。特に電球型の蛍光灯は生産される数が減っていて、売り場に並ぶ電球の多くは既にLEDの製品です。
エディオン メッツ大曽根店 大田龍牙さん:
「今後2027年末に向けてLED電球のシェアは増えてくると思うので、蛍光灯の売り場がそのままLEDの売り場に置き換わっていくと思う。今後(蛍光灯が)手に入らなくなる可能性もあるということで、駆け込み需要の想定もされるので、起こる前に早い段階で変えてほしい」
日本照明工業会の統計によると、これまでに設置されていた照明器具をLEDの照明器具に変えた割合、LED化率は年々上昇。2024年の12月末時点では約6割でした。
電気工事会社にはLED照明器具に変える工事依頼が増加

名古屋市千種区の電気工事会社ユーキでは…
ユーキ 山田吉紀社長 :
「蛍光灯がなくなってしまうので、切れたらLEDに交換というのが進んできている。蛍光灯が製造されなくなりますよ、と決まってからだいぶ加速している」
こちらの会社ではマンションの管理会社や飲食店などから、毎月10件ほどLEDの照明器具に変える工事の依頼を受けています。一般家庭のLED化でも工事が必要な場合があるといいます。
ユーキ 山田吉紀社長 :
「例えば埋め込み型の器具や、キッチンなんかについている埋め込みの蛍光灯器具だったりすると、器具を変えようとすると中の電気工事が必要になる」
蛍光灯の照明器具には電流を一定に保つ役割の安定器がついています。LEDランプには安定器が必要ないため、ユーキでは照明器具を丸ごと交換しない場合、安定器に電流が流れないようにするバイパス工事を推奨しています。
ユーキ 山田吉紀社長 :
「安定器のバイパス(工事)は電気工事の免許がないとできないので、一般の方がやるのはおそらく難しい。電気工事会社に依頼するのがよいと思う」