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国が認める“地域ブランド”に…『八丁味噌』発祥の地の老舗2社を追加登録 地理的表示保護制度巡るこれまでの経緯
01.25(土)07:09
国の地域ブランドに登録されている「八丁味噌」を巡り、農水省は1月24日、老舗メーカー2社で作る組合を追加登録しましたが、その背景には10年あまりに及ぶ混乱がありました。
■発祥の地なのに…「八丁味噌」名乗れないワケ
八丁味噌発祥の地、愛知県岡崎市の「まるや八丁味噌」と「カクキュー」で作る組合が追加登録されたのは「地理的表示保護制度」と呼ばれるものです。 三重県の特産松阪牛や、岐阜県美濃加茂市の堂上蜂屋柿、北海道の夕張メロンなどが登録されていて、その地域ならではの生産方法や気候、伝統文化から生まれた特産品を農水省が「地域ブランド」として認定し、ブランド名が不正に使われた場合は行政が取り締まります。 八丁味噌については、これまで名古屋市の組合のみしか登録されていなかったため、岡崎市のメーカー2社は2026年2月以降、「八丁味噌」の名称を自由に使えないことになっていました。
■対立から尊重へ 「八丁味噌」問題に“決着”
八丁味噌の登録を巡っては、2015年に「まるや八丁味噌」と「カクキュー」が岡崎市の地域ブランドとして申請しましたが調整がつかず、申請を取り下げました。 2017年には、名古屋市の組合が愛知県全域を対象として申請し、登録が認められ、岡崎市の2社は不服として、登録の取り消しなどを求めたものの認められませんでした。 その後、「まるや八丁味噌」と「カクキュー」は名古屋市の組合と互いを尊重する形で、2024年7月に追加登録を申請し、2025年1月に登録が決まりました。