無料で修理する「おもちゃの病院」に密着 お医者さんの診断結果「針金で補強必要」子どもの笑顔あふれる

名古屋市南区の生涯学習センターには、おもちゃを修理してくれる病院があります。特殊な部品が必要な場合以外は「治療」してくれる「名古屋おもちゃ病院」に密着しました。

名古屋市の「南生涯学習センター」の中に入ると、おもちゃを手にしている人たちがいました。無料で壊れたおもちゃを修理してくれるボランティア団体、名古屋おもちゃ病院「とんかち」のメンバーです。

名古屋おもちゃ病院「とんかち」 代表の大平典正さんは「やっぱりお子さんが喜ぶ顔とか、親御さんが喜ぶ顔を見たらうれしいです」と“患者”への思いを話します。
子どものおもちゃ4個を治療

まず、定点カメラがとらえたのは紙袋を持ったお父さんです。紙袋から取り出したのはおもちゃ4つ。
店員:
「ここ(レバー)が折れたの?」
客:
「はい! 本当は引いたら進むはずなんですけど、進まないんです」
お医者さんの診断結果は?

名古屋おもちゃ病院「とんかち」 大平代表:
「(レバーが)折れちゃって、ここをつなげないといけないんだけど、強力ボンドでくっつくけど、針金で補強しないと同じ故障になります」
ショベルカーのショベルを動かすためのレバーが折れてしまったそう。今回はレバーの中に針金を通し、補強します。
電車のおもちゃはモーターの配線を直し、再び動くように!

客:
「すごく丁寧に直してもらえるので。もう壊れちゃったって言って捨てるというよりも、こうして治してくださったっていうことで、(子どもが)『また大事に使おう』ってなってくれたら良いなって」
おもちゃの病院では物を大事にするという心の薬も処方しているようです。
「入院治療」できれいに復活

続いてやってきたのは、おばあちゃんと孫。受付で渡したのは診断書です。
店員:
「ここがね」
客:
「そうそうそう、危なかったから」
店員:
「だから(電線を)代えた!」
客:
「ありがとうございます!」

治療を受けたのは、アンパンマンのおもちゃのレジ。バーコードリーダーと本体を結ぶ電線がボロボロで、けがをしそうになっていたんだとか。その場では治せなかったので、「預かり修理」ならぬ「入院治療」できれいに復活です。

普段は活発だという孫のこたろうくんですが、この日、睡魔には勝てず泣き出してしまいました。後日、おもちゃのレジで遊んでいる様子を見せてもらうと、治ったおもちゃでご機嫌な様子でした。
ネコのぬいぐるみが動かない…

最後にやってきたのはお父さんと姉妹。診断書によると、ネコのおもちゃの左足が折れて動かず、鳴かなくなったといいます。おじいちゃんとおばあちゃんに正月に買ってもらったばかりのネコのおもちゃ。うれしすぎて一緒に寝ている間に壊しちゃったんだとか。
4歳のりなちゃんが大切にしていたというおもちゃ。「入院治療」で無事に治ったのでしょうか。

店員:
「ネコちゃん、治ったよ! 寂しかったもんね」
さっそく、電池を入れると「ニャー!」と鳴きながらりなちゃんのもとへ。
店員:
「良かったね!」
おもちゃの病院は子どもの笑顔にも効果てきめんでした。