乳幼児の置き去りの危険性「地域のおせっかいが子どもを救う」 ためらわず通報

1歳と生後3か月の姉妹を自宅に置き去りにしたとして、内縁関係にある両親が29日に逮捕されました。生後3か月の次女は、頭の骨を折る大けがをしていました。
29日に逮捕された、名古屋市南区の会社員、北島遥生容疑者(23)。
警察によると、北島容疑者は内縁の妻、エリカ容疑者(22)と7月8日午後4時50分ごろから、約7時間にわたって1歳の長女と生後3カ月の次女を集合住宅の一室に置き去りにして、外出した疑いがもたれています。
2人は買い物や、飲食・飲酒をしていたとみられています。
事態は、なぜ発覚したのでしょうか?
最初は「夫婦げんか」として通報

最初は「夫婦げんか」として通報。
警察が駆け付けた時、次女には不調が見られたということです。
その後の捜査関係者への取材で、次女は頭の骨を折る大けがをしていて、入院していたことがわかりました。
次女は命に別状はなく、長女にけがはなかったということです。
2人を知る近所の人は――
「ご主人が赤ちゃんを抱いて、エリカ容疑者が上のお姉ちゃんを抱いて、歩いて買い物に行ったと思うが、その時も夫婦が和やかに話しているわけではなく、少し距離を置いているような感じだった」(近所に住む女性)
警察は2人の認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、大けがをした次女について「床に落としてしまった」という趣旨の話をしていたということです。
虐待かもしれないと思ったら…

乳幼児の置き去りの危険性について、虐待防止活動を行う名古屋のNPO法人「CAPNA」の岩城正光理事長に聞きました。
「子どもの置き去りはネグレクト(育児放棄)という虐待。特に年齢が低いほど周囲の目が届きづらく、命にかかわる危険性がある」と指摘しています。
虐待を防ぐには、どうすればいいのでしょうか。
岩城理事長は、「地域のおせっかいが子どもを救う」と話します。
どんな家族構成か、親は何をしているのか、子どもは何歳なのか。
周囲が気に掛けることで異変に早く気付けるとして、子どもの泣き声や体調の変化など、異変を感じたら、ためらわずに通報してほしいと話しています。
虐待かもしれないと思った時などに、すぐに児童相談所に通告・相談ができる、全国共通の電話番号は「189」(いちはやく)です。





