元妻に取られる多額の養育費に「おかしい」 仕事をしていないはずの元妻の勤務先調査を探偵に依頼

さまざまな依頼に答える「探偵」。代表的な依頼といえば「浮気調査」ですが、いまは関係者からの「勤務先調査」も非常に多くなっています。令和の探偵の勤務先調査に密着しました。
全体の5パーセントは勤務先の調査依頼

朝早くから、探偵が車を走らせ向かった先は、一軒の民家が見下ろせる場所です。
調査員:
「対象者が家から出てくるところが確認できる場所に、いま張り込んでいます。勤務先調査です。勤務先特定の調査になります」
実は探偵にとって、勤務先調査はよくある依頼内容だといいます。愛知県豊田市の加藤探偵調査事務所には2024年度、約240件の調査依頼がありました。浮気調査がダントツで多いですが、勤務先調査の依頼も全体の5パーセントを占めています。

加藤探偵調査事務所 加藤大記代表:
「勤務先を調査することはよくあります。お金の関係ですね、相手が(お金を)払ってこない、同様に弁護士にお願いして相手の勤務先が分かれば強制執行、差し押さえができ、回収をします」
社員が合計7000万円以上も横領

今回の勤務先調査の依頼者は、とある会社の経営者。依頼内容は社員による“横領”です。
依頼者:
「単純に(会社のお金を)横領をしたと、何年かに渡って。合計で7000万円以上になりました。
民事で(賠償)金額が確定してもちろん勝ちまして。お金があれば、差し押さえができますが、はっきりしないと結局、民事で勝っても何も進まないので。今回、お願いすることにしました」

――この対象者は、張り込んでどれくらい?
調査員:
「きょうで3日目になります」
張り込むこと1時間。すると、午前8時ごろ元従業員に動きが。
調査員:
「いま、出てきました! 的(まと)! 掃除しています」
調査員:
「9時30分になりました。対象者はきょうは出ていきそうにないので、一旦撤収をします」
――この依頼は?
調査員:
「続きます。明日も明後日も」
元妻「仕事をしていない」疑問に思い調査

この日、探偵事務所にきた1人の女性がいました。
依頼者:
「主人の前の奥さんの勤務先調査です。いま裁判をしているんですけど、裁判中、前の奥様は仕事をしていないと言っていましたが、どうも仕事をしているらしく…仕事をしていれば、養育費を下げられます」

依頼者の夫の元妻は「仕事をしていない」とのことで、現在、夫は多額の養育費を元妻に支払っています。しかし「元妻は仕事をしているのではないか」と疑い、いまの奥さんが、調査依頼をしてきたのです。
依頼者:
「お仕事をされていれば、現状払っている養育費が下げられる状況なので」
加藤代表:
「養育費を払う側からしてみれば、もらっている側が本当に仕事をしているか、それが分かれば払いが少なくて済むので、こういった調査は昔から多いです」
元妻の勤務先調査に同行

取材班は、元妻の勤務先調査に同行しました。
調査員:
「目の前の団地になります。左斜め前になります」
元妻が住む団地は、人目も多く、張り込みに気づかれる危険性もあります。
調査員:
「リスクを減らすために、張り込み位置を変えました。時間帯的には8時前後に家を出るということは調べています」

午前8時まで待機しましたが、元妻は団地から一向に出てきません。
調査員:
「ちょっと確認にいきますか」
駐車場を確認してみると、車がなくなっていました。すると、調査員は心当たりのある場所へと車を走らせました。
調査員:
「下見のときに確認している、ある場所に向かっています」

車を走らせること20分。
調査員:
「車が停まっています。きょうで2日連続になります。営業所みたいなところで、職場として断定していいと思います」
探偵による数日間の調査で、元妻は働いていることが分かりました。後日、探偵事務所を訪れた依頼者は、夫の元妻の働いている動画を見ることに。

依頼者:
「正直、(現状を知って)苦しくなったこともあったんですが、知れて良かった部分もあります。知れたからこそ次の手段が考えられるので」
結果を知ることができた依頼人は、ホッとした表情を浮かべていました。