小売業者から精米の依頼はあったが備蓄米が届かない… 随意契約の備蓄米が店頭に出回るのは早くて来週以降か

岐阜市の米卸売業者「ギフライス」。先月27日、取材したときには…
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(ギフライス 恩田喜弘 社長)
「これが備蓄米です、全部」
倉庫には、精米を待つ備蓄米が山積みになっていました。これらは全て入札で放出された備蓄米。ギフライスでは、これまでにJA全農が落札した備蓄米約340トンを入荷しています。小泉大臣が就任後、随意契約で放出した備蓄米は、国が直接スーパーなどの小売業者と契約するため、ギフライスなどの卸売業者は、流通からいわば「飛ばされた」形です。しかし…
(ギフライス 恩田喜弘 社長)
「小売業者自体は精米機能を持っていないので、そういうところから精米の委託作業が入ってくるんじゃないか。実際に、そういう話もある」
小売店には自前の精米機がない、あるいは持っていても規模が小さいことが多く、大規模な精米機を持つギフライスに精米の依頼が来る「逆転現象」が起きているといいます。「スピード感」を最も重視し、業界の常識をも覆そうとしている小泉大臣。
随意契約の備蓄米は入荷せず…
しかし、きょう備蓄米の入荷状況を聞いてみると…
(ギフライス 恩田喜弘 社長)
「(随意契約の備蓄米の入荷は)ゼロ、一粒も入っていない。入庫案内もない」
ギフライスでは小売業者が随意契約した備蓄米を今月上旬に精米するよう依頼されていましたが、きょうまでに届いていないということです。
(ギフライス 恩田喜弘 社長)
「通常の銘柄米と江藤大臣時代の(入札で放出された)備蓄米も精米している中で、随意契約の備蓄米を優先して精米しようと思っていたが、結局モノが入ってこなければ(できない)。売却のスピード感はあったが、納品のスピード感は変わらない」
その一方で、競争入札で放出された備蓄米については順調に入荷してきているといいます。
(ギフライス 恩田喜弘 社長)
「(ギフライスで扱う随意契約の備蓄米が店頭に届くのは)早くて来週から月末、もしくは7月上旬に安定的に回るようになるのではないか」
収束が見えない「令和のコメ騒動」、流通の現場では混乱が続いているようです。