6月とは思えない暑さに異例の対応 毎年8月に行われる「夏まつり」を初めて6月に開催 熱中症対策の限界も 岐阜・可児市

きょうは三重県熊野市で、最高気温が35℃以上の猛暑日となるなど、各地で6月中旬とは思えない暑さになりました。いっぽうで、暑さが本格化する真夏の風物詩にも変化が。
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梅雨の晴間が広がった、三重県熊野市。きょうの最高気温は36.1℃と、ことし初めて35℃以上の猛暑日に。
(観光客)「(Q:最高気温36.1℃)すごいですね。いやいや、もうたまらんですね」
「むっちゃ暑い。真夏みたい」
名古屋も最高気温が33.5℃まであがるなど、各地で真夏を思わせる暑さになりました。この暑さで熱中症とみられる症状で、救急搬送された人の数は、これまでに愛知県で20人、岐阜県で4人、三重県で14人に上りました。
救急搬送者の数は、あすさらに増える恐れも…
愛知県で200人を超える可能性? 異例の事態
(名古屋工業大学 平田晃正教授)「あす(17日)は愛知県で、(熱中症とみられる搬送が)200人を超える可能性。これは真夏並みで、6月に生じる可能性があるのは異例」
熱中症で救急搬送される人の「数」を予測している名古屋工業大学の平田晃正教授。あすの名古屋の最高気温は36℃、岐阜で35℃と各地で猛烈な暑さになる見込みで、救急搬送される人は愛知県で207人、岐阜県で50人、三重県で54人と、真夏に相当する数にのぼる見込みだということです。
( 平田晃正教授)「この時期は暑さに慣れていないため、うまく汗をかけず体温を下げられない。熱中症のリスクにつながる。1.5倍から場合によっては2倍近く、リスクが高いと言える」
屋外に出る時間をなるべく少なくして、室内では、適切に冷房を利用するなど、暑さへの対策が必要です。
熱中症対策に限界も…「夏まつり」開催を見直す動き
こうした中、毎年恒例の夏まつりの開催時期を見直す動きも…。
毎年8月半ばに行われていた岐阜県の「可児夏まつり」です。
(可児夏まつり実行委員会 湯浅崇史委員長)
「熱中症対策にも限界があった。(去年も)お客さんが倒れたとかはなかったが、『調子が悪くなった』と設営側の人から報告があった」
命の危険を感じるような真夏の猛暑の中、熱中症対策に限界を感じていた主催者は、ことしは開催を2か月前倒すことに…。
■6月14日午後1時過ぎ:岐阜・可児市
初めて6月開催になった「可児夏まつり」。あいにくの雨でしたが、子どもたちはわなげや射的、ニジマスのつかみ取りなどを楽しんでいました。
(来場者)
「魚つかみやりました。頭らへん狙ったら捕れました。うれしかったです。焼いて食べる」
「初めて来たけど、いろいろあったから楽しかった」
高まる熱中症のリスク…変わりゆく“ニッポンの夏”
熱中症の心配が少ない時期に変更することで、子どもたちが参加しやすくなるのを狙いました。また、2日にわたって開かれていた祭りを1日に凝縮しました。理由は他にも…
(湯浅崇史委員長)
「毎年近くの花火大会と開催日が同じだったりするので、警備員や備品などが不足して価格競争になりかねない。価格高騰もあるので、限られた予算の中でどう運営するか、考えなければならない」
梅雨時の開催と言うことで雨で中止になった出し物はありましたが、夏まつりが一足早くなったことに訪れた人たちは…
(来場者)
「涼しい季節にできるので、子どもにとっては良いかなと思う」
「(8月は)暑いので、こういう時季にできて、良かった」
高まる熱中症のリスクに、当たり前のニッポンの夏が変わっていくかもしれません。